万博誘客にも生かす
日本政府観光局(JNTO)は、昨年7~9月に開かれた東京オリンピック・パラリンピック大会の訪日プロモーションなどに関する効果測定リポートを1月26日に発表した。広告宣伝やSNS、報道などを契機として、約3・9億人の訪日意欲が新たに高まったと推計した。今後日本で開催される大規模イベントでは、2025年大阪・関西万博への関心が高いことも分かった。
■アンケート調査
欧米豪と中国、韓国、台湾の13カ国・地域の居住者8034人を対象にアンケート調査を実施した。大会の視聴を通じて「日本への興味が強まった」との回答は44.2%だった。
日本への訪問意欲が従来から高かった層を除外し、大会を契機として訪日意欲が新たに高まったとする回答は全体の38.6%に達した。調査対象の国・地域の人口を基に試算すると、約3.9億人に相当する。
訪日意欲が高まった理由に「競技の視聴」を挙げたのは21.3%、「選手・スタッフ・関係者のSNS投稿」が18.1%、「東京大会に関連する日本のプロモーション」が16.0%、「東京大会に関連する報道」が14.3%。
東京大会関連の広告宣伝を契機に「日本への印象が良くなった」という回答は、全体の33.2%だった。印象が良くなった分野は、歴史・伝統文化、有名な観光スポット、景色・風景、食文化などが上位だった。
東京大会で来日した海外メディア209人にもアンケート調査を実施した。取材で最も日本に魅力を感じたことを複数回答で聞いた結果は、歴史・伝統文化39.2%▽食文化38.3%▽有名な観光スポット29.7%―などが上位だった。「また日本に取材で訪れたいか」の質問には、前向きな回答が82.8%だった。
今後日本を訪れる際に参加、取材したい関心事は、大阪・関西万博を挙げた回答が、海外居住者で27.0%、海外メディアで16.3%となった。海外メディアは、ワールドマスターズゲームズも20.6%が関心事に挙げた。
■プロモーション効果
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