帝国データバンクによると、今年4月の全国企業倒産(負債1千万円以上の法的整理)は642件、負債総額は1143億6800万円だった。件数は2カ月連続、負債は4カ月連続で前年同月比減少。前月比もともに減少した。
件数は前年同月比12.1%、前月比13.1%のそれぞれ減少。4月としては2000年以降、3番目の低水準となった。
負債は前年同月比40.0%減、前月比27.1%減と、ともに大幅減だった。
件数を業種別に見ると、7業種中5業種で前年同月を下回った。このうち製造業は同26.4%減の81件、卸売業は同21.7%減の94件と、20%以上の大幅減。
増加はサービス業の同3.4%増(153件)と不動産業の同3.6%増(29件)。
業種細分類別では、底堅い食料品需要やインバウンド効果が食品分野に波及し、食料品・飼料・飲料製造業(48.0%減)や飲食料品小売業(46.3%減)が大きく減少した。
地域別では、9地域中8地域で前年同月を下回った。このうち中国は同56.7%減の13件、北陸は同31.3%減の22件と大きく減少。中国、四国を除く7地域で2カ月連続の前年同月比減となった。
四国は同55.6%増(14件)と唯一増加した。
規模別では、負債5千万円未満が368件で、前年同月比10.0%減。倒産全体に占める割合は57.3%。負債10億円以上は17件で、2カ月連続の前年同月比減。昨年11月以来、5カ月ぶりに20件を下回るなど、大型倒産の低水準が続いている。
観光、レジャー関係の主な倒産は、ゴルフ場経営の青森県観光開発(青森県、民事再生法、負債15億8千万円)、温泉施設経営の果樹農園森の風(福岡県、破産、負債7億8千万円)が報告されている。