日本政府観光局(JNTO)が19日に発表した4月の訪日外国人旅行者数(推計値)は、前年同月比23・9%増の257万9千人となった。1カ月当たりで過去最高を記録した。桜などをテーマにした春の観光需要が堅調で、韓国などが大幅に伸びたほか、昨年は3月だったイースター休暇が今年は4月だったことで北米、欧州、豪州などが増加。中国は4月として過去最高だったが、伸び率は3月に続き1桁だった。
これまで1カ月当たりで最高だった2016年7月の229万6千人を上回った。市場別では、台湾、香港、タイ、インドネシア、フィリピン、ベトナム、インド、米国、カナダ、英国、フランス、ドイツ、ロシアの13市場が1カ月当たりで過去最高。韓国、中国、シンガポール、マレーシア、豪州、イタリア、スペインの7市場が4月として過去最高だった。
韓国は56・8%増の55万4600人。韓国のアウトバウンド自体が増加傾向にある中、増便や機材の大型化、チャーター便運航など航空路線の拡充が客数を押し上げた。高い伸び率には、昨年4月の熊本地震に伴う落ち込みからの反動増が表れた。
イースター休暇の時期の移動が4月の訪日需要にプラスに働いた市場を見ると、香港が64・6%増の20万9400人、米国が23・6%増の14万1100人、フィリピンが47・8%増の6万2千人、豪州が41・8%増の5万6200人、フランスが10・1%増の3万7400人、英国が30・5%増の3万7200人などだった。
中国は2・7%増の52万8800人。クルーズ船の寄港が訪日需要を下支えしているが、航空座席の供給量は微増にとどまった。欧州行きの旅行との競合もあり、3月に続き伸び率は1桁だった。
台湾は7・6%増の41万3300人。伸び率は1桁だが、1カ月当たりでは過去最高だった。JNTOは「東北地方を中心とした桜観賞や立山黒部アルペンルートが人気で、これらを目的とするツアーの造成・販売やチャーター便の運航などで訪日需要が押し上げられた」と指摘した。
東南アジアでは、タイがソンクラン(タイ正月)の休暇などの旅行需要で5・8%増の13万8600人。インドネシアは45・0%増の4万5200人、マレーシアは13・6%増の4万3200人だった。
訪日外国人旅行者数の今年1~4月の累計は、前年同期比16・4%増の911万6千人となった。構成比の大きな市場の1~4月累計は、韓国が30・8%増の226万8200人、香港が23・9%増の70万人、米国が16・0%増の43万3800人と2桁の伸び率だった。他方で中国が9・6%増の217万7500人、台湾が4・7%増の144万6900人と1桁の伸び率にとどまった。
JNTOの速報によると、今年1月からの累計は、5月13日に1千万人に到達した。昨年の1千万人到達は6月5日だった。