日本政府観光局(JNTO)が22日に発表した4月の訪日外客数(推計値)は、前年同月比18.1%増の92万3千人だった。1カ月間の数値として過去最高を記録。低迷が続く中国を除く主要な市場は、円高の是正やビジット・ジャパン事業のプロモーション効果などで順調に推移した。東南アジアの好調が目立った。
4月として過去最高を記録しただけでなく、これまで単月で過去最高だった2010年7月の87万9千人を上回り、初めて90万人台に乗せた。単月で台湾、タイ、ベトナム、フランス、ロシアが過去最高。4月としては韓国、香港、シンガポール、マレーシア、インドネシア、インド、豪州が過去最高だった。
韓国が前年同月比33.7%増の20万4200人、台湾が同42.5%増の19万7900人、香港が同24.3%増の5万5千人。
一方で日中関係の冷え込みが訪日観光に影響している中国は同33.0%減の10万200人だった。中国市場の回復に向けてJNTOは「旅行博への出展やメディアへの露出を図り、プロモーションを推進していく」としている。
東南アジアは好調が続いている。4月が旅行シーズンのピーク期にあたるタイが同46.9%増の6万200人に上ったのをはじめ、インドネシアが同61.3%増の1万5500人、マレーシアが同20.1%増の1万4700人、ベトナムが同85.6%増の1万2100人。タイは13カ月連続して毎月の過去最高記録を更新している。
欧米豪の各市場は、米国が同8.1%増の6万9600人、豪州が同29.8%増の2万2700人、英国が同6.4%増の1万8500人など。放射能への警戒感が強かったフランスは不安が薄れる中、メディアを活用したプロモーションなどが奏功し、同30.5%増の1万8900人だった。
1〜4月の累計では、前年同期比18.0%増の317万8100人となった。ただ、この伸び率で推移しても政府が目標とする年間1千万人には届かない。目標達成には約20%の伸びが必要になっている。