日本政府観光局(JNTO)が20日に発表した4月の訪日外客数(推計値)は、前年同月比43.3%増の176万4千人となった。前年同月の実績から50万人以上という大幅な増加。月間の訪日外客数の最高記録を今年2月から3カ月連続で更新した。主な訪日市場のうち中国、台湾、香港、タイ、米国など10市場が月間の過去最高を記録した。
月間の過去最高を記録したのは、中国などのほか、フィリピン、ベトナム、カナダ、英国、フランス。政府の訪日プロモーション重点20市場のうちロシア、スペインを除く18市場が4月として過去最高だった。
中国は113.0%増の40万5800人と前年同月の約2倍になった。全市場を通じて月間で40万人を超えたのは初めて。桜鑑賞の観光やショッピング観光が人気だった。香港も50.7%増の11万9600人と好調だった。
台湾は29.9%増の33万5100人。台湾が月間で30万人台に達したのは初めて。LCC(格安航空会社)の定着、ホテル予約サイトの利用増加などで個人旅行の需要が拡大している。
韓国は57.0%増の30万4600人。円安の継続や桜鑑賞の人気、LCCの就航に伴う航空運賃の低廉化などで訪日需要は好調だった。
タイは18.6%増の11万7900人で、東南アジアの市場として初めて月間で10万人を突破した。フィリピンも好調で23.5%増の3万6700人、マレーシアは17.6%増の2万9600人だった。
欧米豪の市場では、月間の過去最高を記録した米国は12.4%増の9万5900人で、昨年4月から13カ月連続で各月の過去最高を記録している。豪州は13.0%増の3万4100人。英国は14.9%増の2万7100人、フランスは22.3%増の2万7100人だった。
JNTOでは、5月の訪日旅行の動向について、「桜シーズンと夏休みの需要期のはざまとなるが、引き続き好調に推移するだろう」と予想している。