観光庁がこのほど発表した宿泊旅行統計調査の今年5月の延べ宿泊者数(第2次速報値)は、前年同月比5.9%減の4040万人泊だった。ゴールデンウイーク(GW)の日並びや熊本地震の影響で日本人の延べ宿泊者数が減少し、41都府県が前年同月の実績を下回った。全体のうち外国人の延べ宿泊者数は、伸び率は1桁だが、調査開始(2007年)以来、5月の最高値を記録した。
延べ宿泊者数の内訳は、日本人が同7.2%減の3469万人泊、外国人が同2.5%増の572万人泊。全体に占める外国人の割合は14.1%だった。
延べ宿泊者数全体を都道府県別に見ると、九州は軒並みマイナスで、大分県が42.8%減の37万5千人泊、長崎県が26.1%減の58万7千人泊、鹿児島県が20.4%減の57万2千人泊、宮崎県が17.9%減の27万5千人泊、熊本県が13.8%減の56万9千人泊などだった。
他の地域も、GWの5月の日並びが悪かった影響などで前年同月の実績に届かなかった所が多い。北海道、大阪府、沖縄県など6道府県はプラスだったが、東京都が6.7%減の475万人泊、千葉県が8.6%減の181万3千人泊などだった。
延べ外国人宿泊者数を都道府県別に見ると、29都道府県がプラスだった。前年同月の実績に対する伸び率は、三大都市圏(東京、神奈川、千葉、埼玉、愛知、大阪、京都、兵庫の8都府県)が1.4%増、地方部(三大都市圏以外)が4.2%増だった。
宿泊施設の5月の客室稼働率(第2次速報値)は、全国が前年同月比2.5ポイント減の57.6%だった。施設タイプ別では、旅館が2.6ポイント減の36.8%、リゾートホテルが4.2ポイント減の53.7%、ビジネスホテルが5.1ポイント減の71.3%、シティホテルが8.1ポイント減の75.4%。
一方、第1次速報値では、今年6月の延べ宿泊者数が前年同月比0.7%増の3771万人泊だった。内訳は日本人が1.4%減の3166万人泊、外国人が13.1%増の605万人。宿泊施設の客室稼働率は、全国で0.6ポイント増の58.0%となった。