帝国データバンクによると、今年5月の全国企業倒産(負債1千万円以上の法的整理)は709件で、2カ月連続で前年同月と比べ減少した。負債総額は1191億9100万円で、4カ月ぶりに減少した。
件数は前年同月比3.3%減。前月比でも2.9%減少した。5月としては2000年以降で4番目の低水準となった。
負債総額は前年同月比33.4%減。前月比も37.9%減と大きく減少した。5月では00年以降で最小となった。
件数を7業種別に見ると、4業種で前年同月を下回った。このうち運輸・通信業(26件)は同35.0%減と大幅に減少。軽油価格が低水準で推移したこともあり、道路貨物運送を中心に減少が目立ち、2カ月連続で30%以上の大幅減となった。
このほか製造業(90件、同15.1%減)、卸売業(114件、同11.6%減)の2業種も10%以上の2桁減となった。
一方、不動産業(26件、同36.8%増)、小売業(165件、同10.0%増)、サービス業(134件、同3.9%増)の3業種は前年同月を上回った。不動産業は不動産賃貸を中心に増加し、3カ月連続で前年同月を上回った。
9地域別では、5地域で前年同月比減少した。このうち北海道(15件、同21.1%減)、北陸(20件、同20.0%減)、関東(248件、同17.6%減)の3地域は2桁減少した。関東は東京都の製造業と小売業で減少が目立つ。半面、近畿(175件、同17.4%増)、中部(116件、同11.5%増)など4地域は前年同月を上回った。近畿はサービス業と小売業を中心に増加した。
上場企業の倒産はなかった。観光関係の主な倒産は、元.レジャー施設運営の日建(旧・チボリ、兵庫県、負債59億円、特別清算)が報告されている。