国際観光振興機構(JNTO)によると、5月の訪日外客数は前年同月比13.5%増の66万6千人となり、5月単月では初の60万人台を記録した。ビジット・ジャパン・キャンペーン(VJC)効果、円安、職場旅行の需要増などもあり、特に韓国、中国、香港、タイ、シンガポール、フランスからの訪日客が2ケタ増を記録した。1〜5月で比較しても前年同期比11.8%増の伸びを示した。
市場別に見ると、韓国は5月単月では初の20万人台に達し、同31.2%増の21万1400人を記録した。円安基調に加え、旅行会社の値下げ競争などが後押しした。また、「VJCの一環として、JNTOの韓国語ウェブサイトで行っている訪日韓国人『200万人達成キャンペーン』も、継続的に訪日旅行意欲を誘発している」とJNTO。
台湾は同2・2%増の11万2700人。立山黒部アルペンルートが人気旅行地として急浮上しているが、5月は同ルートなどを旅行する台湾人観光客を乗せたチャーター便が、富山空港へ多数運航され、訪日客増に貢献した。半面、日本のはしか流行の報道がマイナス効果を与えたため、訪日客の伸び幅が縮まった。
中国は5月単月で過去最高の7万人を記録し、同10・1%増の7万800人。5月1日からのメーデー休暇を迎え、中国各地と日本の地方を結ぶチャーター便が多数運航され、1500人ほどの中国人利用客があった。
香港は同16・9%増の2万7500人で過去最高を記録した。
米国は同0・1%増の7万2400人。「クルーズ需要もあり、前年並みを維持した」という。
一方、英国が同4・3%減の1万6400人と減少したが、ドイツが同1・0%増の1万人、フランスがユーロ高、企業委員会による訪日旅行増などの後押しで同14.2%増の1万1800人と大幅増であった。
出国日本人数は、同5・9%減の130万4千人。「円安基調、消費支出減が影響し、出国日本人数が減少した」(JNTO)としている。