民間調査会社の帝国データバンクによると、今年5月の東京都内倒産は196件で、前年同月比18.1%増加した。このうち販売不振などの「不況型倒産」が132件で、同32.0%増と、大幅に増えている。
倒産件数は法的整理のみを集計対象とした05年4月以降で最高となった前月(211件)は下回ったが、5番目の高水準となった。
販売不振、売掛金回収難、業界不振などの不況型倒産の構成比は67・3%で、前月(55.9%)比11.4ポイント、前年同月(60.2%)比7.1ポイント、それぞれ上昇した。
負債額別では、負債1千万円以上5千万円未満の小規模倒産が94件で、前年同月(82件)を14.6%上回った。負債100億円以上の大型倒産は2件で、前年同月の4件から半減した。
「受注単価の下落や不良債権の散発などにより法的整理に至る中小零細企業が依然として多いことを表している」と帝国データバンクは分析している。
負債総額は1174億9800万円で、前年同月比72.9%、前月比57.4%の大幅減となった。
業種別では、7業種中建設業、卸売業、小売業、運輸・通信業、サービス業の5業種で前年同月を上回った。製造業、不動産業の2業種は前年同月を下回った。最も件数が多いのはサービス業の53件(前年同月比51.4%増)、前年同月比で最も伸び率が高いのは運輸・通信業の133.3%増(7件)。