7〜9月業況、小企業は横ばい、中小企業は上昇


 日本政策金融公庫はこのほど、全国中小企業動向調査の7〜9月期分を公表した。同期の小企業(原則従業者20人未満)の業況判断DIは前期からほぼ横ばいのマイナス26.8だった。また同期の中小企業(原則従業員20人以上)の業況判断DIは4.7で、2期連続で上昇した。公庫は小企業の景況を「持ち直しの動きが緩やかになっている」として、前期の「持ち直しの動きがみられる」から判断を下方修正。中小企業の景況を「緩やかに回復している」として、前期の判断を据え置いた。

 小企業の業況判断DIは、業況がよいと回答した企業割合から悪いと回答した企業割合を引いた値。

 同期は前期(マイナス26.5)から0.3ポイント減とほぼ横ばい。来期(10〜12月期)はマイナス28.3で、今期から1.5ポイント低下する見通し。

 同期のDIを業種別に見ると、製造業がマイナス25.0で前期比1.5ポイント増。非製造業がマイナス27.2で、同0.7ポイント減。

 非製造業の中では、飲食店・宿泊業が同4.2ポイント増のマイナス21.0。運輸業が同9.3ポイント増のマイナス23.8。小売業(同5.3ポイント減のマイナス40.3)とサービス業(同2.7ポイント減のマイナス26.5)は前期比低下した。

 地域別では、北海道(同8.9ポイント増のマイナス28.6)と北陸(同6.6ポイント増のマイナス20.8)で前期比上昇した。

 一方、中小企業の業況判断DIは、前年同期比で業況が好転したと回答した企業割合から悪化と回答した企業割合を引いた値(季節調整値)。

 同期は前期(2.8)比1.9ポイント増の4.7と、2期連続で上昇した。来期は4.2と今期から0.5ポイント低下。来々期(2016年1〜3月期)は7.1と、今期から2.4ポイント上昇の見通し。

 今期のDIを業種別で見ると、製造業がマイナス0.1で、同1.5ポイント増。非製造業が8.5で、同3.1ポイント増。

 非製造業の中では、宿泊・飲食サービス業が同3.4ポイント増の15.9。来期、来々期もさらに上昇する見通し。

 地域別では、北海道、東北、関東、北陸、東海、近畿、九州の7地域でプラス水準となっている。

 
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