7月の訪日外客数は前年同月比38.9%増の87万9千人となり、7月として過去最高を記録した。日本政府観光局(JNTO)が8月25日に発表した。中国、香港、タイ、シンガポール、フランス、マレーシアの6市場で7月の過去最高を記録。韓国、台湾も回復基調が持続している。1〜7月累計では前年同期比36.3%増の508万1千人となった。
7月の実績は、リーマン・ショック以前の08年7月に記録した82万5千人を5万4千人上回って過去最高となった。ビジット・ジャパン・キャンペーン15重点市場のうち、米国を除くすべての市場で前年同月の実績を上回った。
中国は前年同月比143.0%増の16万5千人。ビジット・ジャパン事業や訪日個人観光査証の発給要件の緩和による効果で需要が拡大。訪日教育旅行も増加した。中国(天津)発着のクルーズ船の九州への寄航も6便に及んだ。1〜7月累計では前年同期比59.2%増の86万9千人となった。
香港は前年同月比40.8%増の6万9千人と好調。香港〜那覇間に定期チャーター便などが運航されており、沖縄旅行の需要が増加した。
韓国は38.7%増の23万6千人。定期便、チャーター便を含めた日韓間の航空便も急速に増加しており、訪日数は大幅な回復となったが、07年、08年の実績には届かなかった。
台湾も32.1%増の15万3千人だが、08年、05年に次ぐ実績にとどまった。航空座席の供給量が昨年より少ないほか、中台間の航空直行便の拡大により、昨年、日台間でチャーター便として運航されていた機材の一部が中国大陸に振り分けられ、「日本向けの機材確保が昨年より難しくなっている」(JNTO)。
重点市場で唯一、前年同月の実績を下回った米国は、3.2%減の6万8千人。円高の進行などに伴い日本人の訪米旅行が増え、航空座席の占有率が高まったことから、米国人の座席が難しくなっているという。
出国日本人数は11%増の141万人
7月の出国日本人数は、前年同月比10.7%増の141万3千人となり、5カ月連続で前年同月の実績を上回った。1〜7月累計では前年同期比10.8%増の931万9千人となった。