観光庁は16日、旅行・観光消費動向調査の2016年7~9月期の結果(速報)を発表した。日本人の宿泊、日帰りを合わせた観光、業務、帰省など目的は問わない国内旅行の消費額は、前年同期比5・0%増の6兆2065億円となった。このうち宿泊旅行は同2・7%増の4兆8808億円、日帰り旅行は14・1%増の1兆3258億円だった。国内旅行全体と宿泊旅行の消費額は、10年1月以降では全ての四半期を通じて最高値だった。
国内旅行全体の消費額は、10年1月以降で最高値だった11年7~9月期の6兆149億円を上回った。宿泊旅行の消費額は、10年1月以降で最高値だった15年7~9月期の4兆7519億円を超えた。
国内旅行全体の消費額を月別に見ると、7月が前年同月比17・9%増の1兆7825億円、8月が同0・7%増の2兆6067億円、9月が同0・3%増の1兆8173億円。
宿泊旅行の消費額は、7月が同16・5%増の1兆4107億円とプラスだったが、8月が同2・4%減の2兆727億円、9月が同1・3%減の1兆3973億円とマイナス。7月は日並びの関係で日曜日が月5回と昨年より多く、8月は祝日「山の日」が新設されたが、日曜日は昨年より少なかった。9月は、昨年のシルバーウイークのような大型連休とはならなかった。
日帰り旅行は、7月が同23・3%増の3718億円、8月が同14・9%増の5339億円、9月が同6・3%増の4200億円といずれもプラス。特に7月の伸び率が高い要因として観光庁は、前年7月は天候に恵まれなかった地域が多かった一方で、今年7月は比較的順調だったことを挙げている。
7~9月期の国内旅行全体の延べ旅行者数は前年同期比5・6%増の1億8319万人だった。このうち宿泊旅行が1・6%増の9610万人、日帰り旅行が10・4%増の8709万人。
7~9月期の1人1回当たりの旅行単価は、宿泊旅行が前年同期比1・1%増の5万786円、日帰り旅行が同3・4%増の1万5223円だった。
観光庁は今年から、統計精度を高めるため、旅行・観光消費動向調査の手法を一部変更した。これまでは調査対象者に過去6カ月の旅行内容を年2回回答してもらっていたが、今年から過去3カ月分の旅行内容を年4回回答してもらう。