観光庁がこのほど発表した「訪日外国人消費動向調査」の結果、2018年7~9月期の訪日外国人の旅行消費額(1次速報値)は1兆884億円となった。前の期間18年4~6月期と比較すると、4.0%減となった。自然災害の発生に伴い訪日旅行者数が18年4~6月期を下回ったことなどが影響したとみられる。18年からクルーズ客の消費を算出するなど調査方法が変更されたため、前年の数値との単純比較ができないが、参考までに17年7~9月期と比較すると11.6%減だった。
訪日外国人の旅行消費額のうち、クルーズ客(船舶観光上陸許可者)が266億円、それ以外の一般客が1兆618億円だった。
国・地域別の旅行消費額では、最多の中国が4050億円で、全体の37.2%を占めた。次いで台湾が1423億円、韓国が1298億円、香港が840億円、米国が705億円など。この上位5カ国・地域で全体の76.4%を占めた。
費目別では買い物代が3546億円、宿泊費が3301億円、飲食費が2423億円、交通費が1132億円、娯楽等サービス費が477億円。
18年7~9月期の一般客の訪日外国人旅行者数は、18年4~6月期の760万7千人を下回り、682万7千人となった。西日本豪雨、関西空港の閉鎖、北海道胆振東部地震などが旅行者数、消費総額に影響した。一般客の旅行者数は17年7~9月期比では3.5%増だが、構成比が大きい東アジアでは、中国が同12.7%増、台湾が同1.3%増とプラスを維持した一方で、韓国が同7.7%減、香港が同7.4%減とマイナスだった。
18年7~9月期の一般客の1人当たり旅行支出は平均15万5522円。前の期18年4~6月期と比較すると、7.0%の伸びとなった。また、単純比較できないが、17年7~9月期比では6.0%減だった。
主な国・地域の一般客の1人当たり旅行支出は、中国が17年7~9月期比(調査手法の変更で参考値)9.6%減の21万5499円、香港が同0.5%減の15万6868円、台湾が同0.1%減の12万6950円とマイナス。韓国は同3.4%増の7万7259円、米国は同4.2%増の20万248円とプラスだった。
一般客の1人当たり旅行支出が高額な国・地域は、イタリアの24万4339円、フランスの24万2479円、スペインの23万7574円、豪州の21万9768円。欧米豪の旅行者は宿泊日数が多く、宿泊費が高くなる傾向がみられる。
18年7~9月期のクルーズ客は、人数が17年7~9月期比11.7%減の74万2千人だった。1人当たり旅行支出は3万5788円で、このうち買い物代が3万3059円を占めた。