8月の全国企業倒産、5カ月連続で減少


 帝国データバンクによると、今年8月の全国企業倒産(負債1千万円以上の法的整理)は625件で、前年同月比8.5%減と、5カ月連続で減少した。負債総額は964億8500万円で、同29.9%減少し、2000年以降で最少となった。

 件数、負債総額は前月比でも18.3%、22.3%それぞれ減少した。

 件数を業種別に見ると、7業種中5業種で前年同月比減少した。このうち運輸・通信業は同41.7%減の21件、不動産業は同42.3%減の15件と、4割を超す減少となった。

 運輸・通信業は燃料価格の下落で一般貨物自動車運送業で大きく減少。卸売業(同17・1%減、87件)とともに、リーマン・ショック後で最少となった。

 サービス業は同16.6%減の131件。

 一方、製造業(同24.0%増、93件)と小売業(同4.8%増、130件)は前年同月を上回った。製造業は国内自動車販売台数の減少により、鉄鋼業、非鉄金属・金属製品製造業などで増加した。

 地域別では、9地域中7地域で前年同月比減少した。

 このうち北陸は同50.0%減の12件。3月の新幹線開通による特需が継続しており、石川県では開業翌月の4月から5カ月連続で件数が減少している。

 増加は近畿(同15.2%増、174件)のみ。製造業を中心に、幅広い業種で増加した。四国(7件)は前年同月から横ばいだった。

 規模別では、負債5千万円未満の倒産が同4.6%減の350件。倒産全体に占める割合が56.0%と、前年同月を2.3ポイント上回った。

 一方、負債10億円以上の倒産は同25.0%減の15件。8月としては2000年以降最少となった。

 資本金別では、個人経営と資本金1千万円未満の合計が350件で、構成比56.0%。「個人経営など零細企業の占める割合が増加し、小規模倒産の構成比を押し上げている」(同社)。

 観光関係の主な倒産は、旅行代理のワールドストリーム(東京都、破産、負債17億2900万円)、元・ホテル経営のシティプラザ(東京都、特別清算、負債16億7千万円)、元・温泉旅館経営の湯元ホテル(長崎県、特別清算、負債11億1千万円)など。

 
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