帝国データバンクによると、今年8月の全国企業倒産は1018件で、前月比10.0%減少、前年同月比3.4%増加した。同社が倒産の集計基準を変更した05年4月以降で最多を記録した前月比では減少したが、3カ月連続で1千件を超える高水準となっている。「景気後退局面を迎え、倒産件数はさらに増加基調を強めている」(帝国データバンク)。
負債総額は8148億5800万円で、前月比27.3%増加、前年同月比2.4%減少した。
倒産件数が高水準にある背景について帝国データバンクは(1)不動産市場の急速な環境悪化により、建設、不動産業で大型倒産が続発(2)「不況型倒産」が829件に急増、構成比81.4%は05年4月以降で最高の水準(3)原材料関連の倒産が69件発生、前月(60件)を上回り過去最多を3カ月連続で更新──などを挙げている。
業種別では、建設業(307件、前年同月比12.9%増)、不動産業(33件、同37.5%増)など4業種で前年同月を上回った。建設業は2カ月連続で300件超え。前月に次いで今年2番目の高水準となった。運輸・通信業(56件、同60.0%増)は07年10月と08年3月の41件を大幅に上回り、05年4月以降で最多となった。
倒産の規模別では、負債5千万円未満の零細企業が436件、構成比42.8%となった。負債100億円以上の大型倒産は12件で、前年同月比200.0%の大幅増。2カ月連続で過去最高を記録した。
地域別では、北海道(48件、前年同月比84.6%増)、中国(53件、同23.3%増)など4地域で前年同月を上回った。北海道は05年4月以降で最多となった前月の58件に次いで2番目の高水準。関東(332件、同0.6%減)、近畿(257件、同増減なし)など、都市圏でも高水準となった。