国際観光振興機構(JNTO)によると、8月の訪日外客数は前年同月比15.7%増の75万8千人となり、8月単月では初の70万人台を突破した。韓国、台湾、中国、香港、タイ、シンガポール、ドイツ、フランスからの訪日客が過去最高を記録するなど好調に推移している。
市場別に見ると、韓国は23.2%増の27万1千人を記録。「VJC観光親善大使の歌手ユンナさんを起用したテレビCMなどが訪日客増に結びついた」とJNTO。
台湾は5.6%増の11万8600人。台湾と石垣島、那覇を結ぶクルーズ船「スーパースター・リブラ」の運航が7月から再開され、8月に数千人が乗船、訪日客増に貢献した。
中国も23.0%増の9万9800人となり、台湾に迫る勢いを見せている。中国の株高、不動産価格上昇の恩恵を受け、富裕層だけでなく、中間層の間でも日本を含めた海外旅行の需要が高まっている。
香港は36.0%増の4万800人で訪日客が初めて4万人台に達した。香港から日本各地へチャーター便72便が運航され、訪日客増に結びついた。
一方、米国は0.6%減の6万2900人。航空座席供給量が減少したものの、訪日客は前年並みを維持。英国は4.3%増の1万8200人で、8月単月では過去最高を記録した。ドイツは9.7%増の9200人。
フランスは21.8%増の1万2300人で大幅に伸びた。JNTOによると、「『ミシュラン』などのフランス語版日本旅行ガイドブックの発行がフランス人訪日客の増加の原因と見られる」。
その他、タイでは割安な航空料金を設定した低価格の訪日ツアーが出回り、45.2%増の9700人、シンガポールが25.4%増の7千人などとなっている。
出国日本人数は0.4%減の169万8千人で4カ月連続減。「若年層の出国減などが全体の減少に影響した」(JNTO)。