日本政府観光局(JNTO)が10月21日に発表した今年9月の訪日外客数(推計値)は、前年同月比46.7%増の161万2千人だった。2倍増となった中国をはじめ訪日旅行の重点市場では、インドネシア、ロシアを除く18市場が9月として過去最高を記録。1〜9月の累計は前年同期比48.8%増の1448万7600人となり、昨年の年間値1341万人を超えたほか、速報値では10月9日に1500万人を突破した。
9月の東アジアの動向では、50隻のクルーズ船が寄港するなど好調だった中国が99.6%増の49万1200人。韓国は旧盆休暇(チュソク)に伴う4連休が旅行需要を押し上げ、38.6%増の30万1700人。台湾は航空路線、クルーズの拡充で37.2%増の30万2900人。香港も64.9%増の11万5200人と大幅に伸びた。
東南アジアでは、タイが10.8%増の3万4400人、マレーシアが32.4%増の2万1300人、シンガポールが32.3%増の1万8700人、インドネシアが19.1%増の1万2900人など。タイ、インドネシアでは、国内経済の減速の中でビジット・ジャパン事業などが訪日需要を支えた。
欧米豪は、米国が10.1%増の7万6300人、豪州が13.3%増の3万4700人、英国が9.9%増の2万2700人など。米国は燃油サーチャージの引き下げや円安基調などで訪日需要が拡大。豪州は9月後半から春休みが始まったことで、家族旅行の需要が増加した。