帝国データバンクは9月、新型コロナウイルス感染症に対する企業の意識調査を行った。自社の業績に「マイナスの影響がある」と見込む企業割合は80.6%で、5カ月連続で減少した。ただ、業種別では旅館・ホテルが96.8%と、6カ月連続で最も高くなっている。今年度の業績見込みは、旅館・ホテルの8割超が減収減益を見込んでいる。
マイナスの影響がある(「既にマイナスの影響がある」と「今後マイナスの影響がある」の合計)企業割合は、4月の88.8%をピークに、徐々に減少。9月は前月(82.5%)から1.9ポイント下回った。
9月は、「既にマイナス―」が68.4%で、7月からほぼ横ばいで推移している。「今後マイナス―」は12.3%で、前月(14.4%)から2.1ポイント低下。「先行きに対する不透明感は和らぎつつある」(帝国データバンク)。
マイナスの影響がある企業を51の業種別に見ると、旅館・ホテルが96.8%と最も高かった。2位以下は「繊維・繊維製品・服飾品小売」(93.5%)、「出版・印刷」(92.9%)、「飲食店」(92.7%)が続く。「娯楽サービス」も89.1%で9位と、上位にあがっている。
反対に、「プラスの影響がある」と見込む企業割合は、スーパーマーケットなどの「各種商品小売」が35.6%と最も高くなっている。以下は「飲食料品小売」(17.3%)、「医薬品・日用雑貨品小売」(13.0%)など。
2020年度の業績見込みは、56.0%が減収減益を見込む。3月調査(44.4%)に比べ、11.6ポイント増と大きく増加した。
業種別では、旅館・ホテルが87.1%と最も高い。3月調査(67.7%)から19.4ポイント増加した。以下、「娯楽サービス」(80.6%)、「飲食店」(80.0%)など。
増収増益を見込む企業割合は10.5%。3月調査から3.0ポイント減少した。このほか、前年度並みが9.0%、減収増益が5.9%、増収減益が3.9%、その他が14.6%。
調査は9月15~30日に全国の企業2万3695社に行い、1万1689社から有効回答を得た。