観光立国推進本部、外客1000万人達成へ施策策定


 国土交通省の観光立国推進本部(本部長・太田昭宏国交相)は4月25日、訪日外国人旅行者1千万人を今年こそ達成し、その先の2千万人を見据えて観光立国を推進するため、国交省の全部局を挙げて取り組む外客誘致の施策を策定した。国交省が所管する幅広い政策分野の総合力の発揮を目指す。事業の開始から10周年を迎えたビジット・ジャパン(VJ)事業を強化するほか、交通分野、社会資本整備分野と連動した観光施策を充実させる。

 国交省は観光施策の強化に取り組むとともに、必要な予算の確保に努める。関係省庁にまたがる施策に関しては、首相が主宰する観光立国推進閣僚会議を通じて政府一体で推進する。閣僚会議では観光立国の実現に向けたアクションプログラムを夏をめどに策定することになっている。

 国交省が今回まとめた観光施策は、四つのテーマに施策を分類。「知ってもらう」として情報発信の強化、「来てもらう」として交通アクセスや査証(ビザ)などの改善、「満足してもらう」として受け入れ態勢の整備、「人と知恵、さらには投資をひきつける」として国際会議の誘致など。

 知ってもらう施策では、VJ事業の高度化を目指し、海外進出企業などと連携した訪日プロモーションの拡大、日本政府観光局(JNTO)の体制強化に取り組む。また、VJ事業とクールジャパン事業を連動させ、海外でのテレビCMの放映などを含め、日本ブランドの発信に注力する。

 来てもらう施策では、LCC(格安航空会社)やビジネスジェットの受け入れ促進、首都圏空港の整備を推進。クルーズの振興では、外国クルーズ船社が寄港を検討する際の一元的な窓口を港湾局が中心となって早期に設置する。査証の発給要件の緩和は、観光立国推進閣僚会議で検討していく課題だが、国交省では今年の1千万人達成に向けて夏にも一定の緩和を実現したい考え。

 満足してもらう施策は、出入国手続きの円滑化、交通や滞在の環境整備、地域の魅力づくりと多岐にわたっている。観光産業の関係では、ツアーオペレーター認証制度の導入・充実、宿泊施設に関する設備・サービス内容の情報提供制度の普及を盛り込んだ。道路、鉄道、港湾の関係では、観光振興とインフラ整備を一体で進めるために連絡調整会議を早期に設置。また、離島観光の振興に向けて、新設した離島活性化交付金を生かす。

 人と知恵、投資をひきつける施策では、国際会議などのMICEの開催、誘致に向けた取り組みを強化する。国際競争力の高いMICE都市の育成に支援策を打ち出すほか、会議やレセプションなどに文化施設などを開放するユニークべニューを推進する。

 
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