全国会議で知見、先進事例を共有
観光庁主催のDMO(観光地域づくり法人)全国会議が3日、東京・霞が関の中央合同庁舎で開催された。各地のDMO関係者が参加。観光庁は、インバウンドの地方誘客や持続可能な地域づくりを課題として、DMO登録制度の要件の見直しに着手するなど、機能強化を進めたい考えで、パネルディスカッションなどを通じて先進事例の共有を促した。基調講演には、観光政策への提言で知られる小西美術工藝社社長のデービッド・アトキンソン氏が登壇し、DMOの役割として、地域の観光インフラの充実に向けて投資を呼び込む機能の重要性を強調した。
観光庁の秡川直也長官は、冒頭のあいさつで次のようにDMOへの期待を語った。
「地域にとって観光が何のためにあるかというと、来ていただいたお客さまに楽しんでいただくことはもちろんだが、観光によって、さまざまなビジネスが活性化してうまく回っていくと、地元に良いことがあるということだと思う。観光は狭く捉えると、旅行会社や旅館・ホテルということになるが、もっと広く、地元のさまざまな産業が一つの目標に向かってしっかり話し合い、地域の個性、特性を生かし、作戦を立て、データを取りながら取り組んでいく必要がある。1年、2年では結果が出ないので、粘り強く取り組むことが大事だ。DMO全国会議ではいろいろな講演やパネルディスカッションを行うが、全ての地域が同じことをする必要はない。地域に応じた取り組み方を見つけたり、考えたりするチャンスになればいいと考えている」
有識者会議設置 機能強化を検討
観光庁は、インバウンドの地方誘客などの課題を背景に、DMOの機能を強化する施策を検討している。2024年1月に「観光地域づくり法人の機能強化に関する有識者会議」を設置。DMOに求める機能の明確化を検討中で、DMO登録制度の登録・更新要件を見直す。24年度内に登録制度のガイドライン(指針)を改定する方針だ。
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