【私の視点 観光羅針盤 447】ONSEN無形文化遺産登録へ 吉田博詞


 ONSENをキーワードに、ユネスコ無形文化遺産登録への取り組みが加速している。そもそも「無形文化遺産」とは、芸能や社会的慣習、伝統工芸技術など形のない文化遺産で「無形文化遺産の保護に関する条約」(無形文化遺産保護条約、2003年ユネスコ総会において採択)によって、世界遺産条約が対象としてきた有形の文化遺産に加え「無形文化遺産」についても国際的保護を推進する枠組みが整ったものである。条約の策定段階から積極的に関わってきた日本は、2004年にこの条約を締結している。現在611のテーマが登録されており、日本では能楽や奥能登あえのことなど22件が登録されている。

 その中で、日本に根付く温泉文化をONSENという世界的なキーワードとして深化させ、その価値を底上げしていこうという動きが加速している。日本列島を見渡すと、3千カ所以上の温泉地があり、いにしえより人々の心身を癒やしてきた。日本人にとって「心のふるさと」ともいえる不可欠な文化である。長い歴史を有する日本固有の文化であり、世界に誇るべき文化として捉え、温泉を次代へとつなぎ、温泉文化の価値を国内外に広め、ONSENを世界共通語とすることを目指していくという取り組みである。国内外の付加価値の高い需要を喚起し、持続可能な温泉地の活性化につなげONSENのブランド化を図っていこうとするものである。

 2025年内に国の文化財登録、2026年に国内候補(推薦)を経て、2028年の早期登録の実現を目指すという流れが進んでいる。機運醸成として、2024年内に100万筆の署名獲得を目標に動いている模様だ。署名においてはオンラインで対応可能なようである。

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