鳥取県・三朝温泉の旅館「木造りの宿 橋津屋」は今年6月、「個室ダイニング すいれん」を本館の隣に開設した。高付加価値化補助金を活用した取り組み。食事処・調理場を新設したダイニングに集中させ、接客係の業務負担軽減を実現した。
今回オープンした「個室ダイニング すいれん」は、完全個室12室を有する、食事利用に特化した施設。従来、同館では本館の各客室で食事を提供してきたほか、離れの特別室「別邸月代」も、2階客室を小改装した食事処で提供。どちらも、1階の厨房から2階の客室への運搬が接客係の大きな負担となっていた。
こうした課題を解消するため、高付加価値化補助金を活用し、本館に隣接する土地・建物を取得。2023年12月から着工し、廃屋を解体、平屋建ての個室ダイニングを、投資総額約1億6500万円で新設した。
個室ダイニングは、外装・内装ともに木の温もりを感じさせるデザインとした。建物中心部に配置した小松石の石盤を囲うように12室の個室を用意＝写真。2人から6人までに対応したほか、一部個室の仕切りは可動式とし、最大14人での利用も可能となっている。
今回の新設に伴い、食事は個室ダイニングに統一し、新たな厨房もダイニング内に配置。できたての料理を、接客係の負担をかけずに提供できる。将来的には外来利用者の受け入れも検討し、温泉街の活性化も見据えるとしている。
