【逆境をチャンスにー旅館の再生プラン 726】利益確保のためのコスト削減法(2) 青木康弘


 前回に引き続き、宿泊業における効果的な経費削減のコツを紹介したい。補助金を活用して積極的に設備投資を行ったものの、見込んだ収益が得られず、金融機関にリスケジュールを申し込む施設が今年に入って目立つようになってきている。コスト管理を適切に行うことで、経営の安定化を図り、将来的なリスクにも対応できる強固な財務基盤を築くことが可能となる。

 人件費の抑制もコスト削減を進める上で避けては通れない。最低賃金の引き上げや人手不足の影響により人件費の上昇が続いており、問題はより深刻化している。宿泊業は、サービスの質や顧客体験が競争力の源泉となるため優秀なスタッフの確保と定着が欠かせない。しかし、人件費が増加すると利益を圧迫するため、サービスと効率性のバランスを考慮した施策が求められる。

 まず、人件費を抑制するために最も重要なのが、総労働時間の予算化とシフト管理である。年間を通じた労働時間の予算を立て、月次や週次でモニタリングすることで、総労働時間を抑えることができる。シフト管理は現場スタッフに任せきりでは良くない。1~2時間程度のピークタイムに合わせてシフト組みをするため、投入スタッフが過大になる傾向にあるからだ。人手が足らないという言葉をうのみにせず、年間売り上げと目標人件費率からみて投入労働時間が適正か確認したい。

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