全国修学旅行研究協会(全修協、岩瀨正司理事長)はこのほど、2016年度全国公私立高等学校の海外修学旅行と海外研修の実施状況調査結果を公表した。同年度に海外修学旅行を行った高校は842校で、前年度から52校増加した。また旅行件数(1107件、同71件増)、参加生徒数(14万5944人、同7847人増)も前年度を上回った。実施校数を校数で割った実施率は公立が10・4%で同0・8ポイント増。私立が34・9%で、同2・0ポイント増。公立は3年連続、私立は4年ぶりに上昇した。
公立、私立とも2011年度以来5年ぶりに校数、件数、生徒数の全てが前年度を上回った。
公立は校数375校(前年度比25校増)、件数406件(同27件増)、生徒数6万3065人(同5305人増)。
私立は校数467校(同27校増)、件数701件(同44件増)、生徒数8万2879人(同2542人増)。
旅行先は36カ国・地域にのぼり、実施校数、参加生徒数ともに増加したのは北アメリカ、台湾、オセアニア、中国、韓国。
台湾は参加生徒数が4万1878人と初の4万人超え。2011年に初めて1万人を超えてから毎年伸びている。半面、ヨーロッパはテロなどの影響からフランス、イギリスを中心に前年度から減少傾向が続く。韓国は2014年のフェリー転覆事故などの影響で減少が続いていたが、下降がいったん落ち着いた。
公立は台湾が校数167校、生徒数3万736人とトップ。このほかシンガポール、ベトナムなどの東南アジアが増えている。中国、韓国は校数が若干増え、復調の兆しが見える。
私立は北アメリカが校数214校、生徒数3万91人とトップ。ヨーロッパはテロなどの影響で大きく減少。韓国は激減を続けてきたが、校数、生徒数とも4年ぶりに増加に転じた。