ANAセールスは24日、国内宿泊施設向け予約管理システムを刷新した。今まで扱いづらいと声が上がっていた管理画面の操作性と視認性を向上させ、他社システムと変わらぬ利便性を追求した。システム利用料は現行の6%のまま。今回の利便性の向上を機に、2015年度には国内ダイナミックパッケージ(DP)の取扱高を700億円に成長させたい考えだ。
新システム「ANAリンカーン」は、ウェブ販売の継続的な成長を図るため、施設にとって分かりやすい管理画面を「TLリンカーン」で有名なシーナッツと共同で開発。TLリンカーンの使用感をそのままに、視認性、操作性を向上させた。旧システムではできなかった登録部屋数や料金などの基本情報も施設が自由に管理できる。
予約確認画面は詳細なデータが表示されるようになった。宿泊客がどこから、何便の飛行機に乗って来るのかなどの情報が画面上で確認できる。
パンフレット商品「スカイホリデー」に登録しているプランが売り切れてしまった場合も、ANAリンカーン上で在庫の追加依頼を受け取れる。追加依頼の電話に出られず取りこぼしていた宿泊客も確実に取り込める。この新機能により、施設の予約担当者はパンフレットとネットの商品の在庫を一元的に管理できる。同社によると、パンフレット商品の在庫追加分だけで成約した販売額は、半期ベースで40億円に上るという。
ANAセールスは「新システム導入により予約担当者の時間と手間が軽減される。プランの登録がしやすくなり、商品が増えると、今後主流になるウェブ販売で競争力が増す」と語る。
ANAのサイトには毎日40万人のユーザーが訪れることやANAマイレージクラブに2千万人の会員がいる利点を挙げ、「ANAサイトで一番目立つところに商品を置くことで、登録施設に還元していきたい」とした。同社は新規の施設の登録も積極的に行っている。「管理画面の利便性が向上したので、専任の予約担当者がいない施設に活用してもらいたい」「航空需要がある沖縄や北海道などANAリンカーンを導入することでDPの利用者を取り込むことができるので利用してほしい」と強調した。
06年の販売開始以来、同社DP「旅作」は毎年150%増の成長を続けてきた。13年度も堅調な伸びを維持しており、送客100万人を達成できる見込み。
現在同社DPに登録している施設数は5600軒で、国内宿泊予約サイト「@ホテル」に登録している施設を合わせると約7千施設と契約。15年度までの中期計画として、旅作と@ホテル合わせて約1万施設との契約を目指す。旅作の取扱高は700億円が目標だ。
同社は9月末までANAリンカーン、プラン登録キャンペーンを行っている。旅作と@ホテルそれぞれに10プラン以上登録した施設を表彰するほか、指定したキーワードを含むプランを登録した施設は、検索画面で上位に表示するなど送客の強化を行う。
新規登録の問い合わせ先は、国内旅行商品部仕入・手仕舞グループTEL03(6735)3522。