ANA中間期決算、災害や整備欠航続き増収減益 訪日需要は堅調


 ANAホールディングス(ANA)は2日、2019年3月期中間期決算を発表した。売上高が前年比5.4%増の1兆380億円、営業利益が同8.6%減の1052億円、経常利益が8.7%減の1029億円、中間期純利益が同37.7%減の737億円。日本各地で発生した自然災害の影響があったが、景気改善など需要に支えられ、国際線旅客、国際線貨物が順調に推移し、航空事業の売上高は前年同期を上回った。一方、「安全・品質サービス」や「人」に対する費用、燃油費増加などにより、営業利益は前年同期を下回った。

 国内線は、売上高が同0.8%減の3523億円、旅客数が同0.7%減の2234万人、有償座席利用率は69.4%だった。堅調なビジネス需要と訪日旅客の国内移動需要を取り込むと共に、需要に応じた各種割引運賃の設定に取り組んだが、地震や台風など自然災害、ロールスロイス社製エンジンの点検整備による欠航などの影響を受け、旅客数、収入とも前年を下回った。路線ネットワークでは、夏季の一部期間で、関西―宮古線など深夜便を増便するなど需要を取り込んだ。営業・サービス面では、搭乗日の355日前から予約、発売を開始するなど利便性の向上や日本発となる国内線から国際線への乗り継ぎ可能なチェックイン機の導入などを行った。

 国際線は、売上高が同12.0%増の3310億円、旅客数が同8.6%増の517万2千人、有償座席利用率は77.4%だった。日本発ビジネス需要が好調に推移していることに加え、訪日需要を取り込み、旅客数、収入とも前年同期を上回った。路線ネットワークでは、羽田―バンコク線を増便するなど、首都圏発着のビジネス、プレジャー需要の取り込みを強化した。営業・サービス面では食物アレルギーを持つ客向けの食事を提供するなど環境を整備した。

 LCCは、売上高が同9.5%増の483億円、旅客数が同4.7%増の406万7千人だった。路線の拡大や訪日需要を取り込み、旅客、収入ともに前年を上回った。路線ネットワークでは、Peach・Aviationが4月から沖縄―高雄線、8月から関西―釧路線、バニラ・エアが7月から成田―石垣線、沖縄―石垣線を新規開設しネットワークを充実した。営業面では、新規路線の就航記念セールや国内線と国際線の航空券をセットにした「内際セット割」を設定し、台湾、香港を中心とした訪日需要の取り込みを図った。

 通期連結業績予測は、売上高が2兆400億円、営業利益が1650億円、経常利益が1580億円、純利益が1020億円。

 
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