ANA、国際線客室を刷新 引き戸個室など隈氏監修


打ち合わせも可能な広さのファーストクラス

 全日本空輸(ANA)は11日、長距離国際線の主力機であるボーイング777―300ER型機のファーストクラス、ビジネスクラスに、約9年ぶりとなる新シートを導入することを発表した。デザインの監修は、建築家の隈研吾氏。ドア付きの個室型ワイドシートや世界初となる4K対応のモニターなどを備える。同機は、2日の東京・羽田―英国・ロンドン線から運航している。

 新シートは、新ファーストクラスシート「THE Suite」では、五つ星ホテルのような空間を実現。ANA最大の広さを実現したドア付き個室型シートには、43インチの4K大型モニターのほか、可動式パーティションを備え(中央席のみ)、ペア利用にも対応する。

 新ビジネスクラスシート「THE Room」は、進行方向と逆向きシートと前後の向きを互い違いに配列し、世界最大級の居住空間を実現した。シートの最大幅は現行の約2倍となるANA史上最大の広さのワイドシートを採用。ANA初となる全席ドア付き個室型シートで完全なプライベート空間を実現した。24インチの4Kモニター、可動式パーティション(中央席のみ)も備える。

 シートクッションは西川と共同開発したものを採用し、照明はパナソニック監修のもと、用途に合った色に設定している。

 同日に開催した記者会見では隈氏がデザインについて説明。隈氏は「寛ぎ、安らぎを与える日本の建築空間の良さを、引き戸など伝統的技法のほか、現在の最先端技術を用いて実現した。自然素材を使用して豊かな質感を体感できる空間をぜひ体験してほしい」と呼び掛けた。

 平子裕志社長は「2010年に発表した『インスピレーション・オブ・ジャパン』から9年がたった。他社の機内とも比べてデザインは古くなり、根本的に見直した。新しい機内では、洗練さと機能美で最高級の空間を実現した」と紹介した。また、今後は米国・ニューヨーク線など導入を拡大していくと意気込みを語った。

 このほか、同機では、エントランスにウェルカムモニターや、冷蔵設備やモニターを兼ね備えたバーカウンターを新たに設置している。


打ち合わせも可能な広さのファーストクラス

 
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