全日本空輸(ANA)と日本航空(JAL)は、人手不足が深刻な空港のグランドハンドリング(グラハン)分野の資格取得の負担軽減に関して、会社の垣根を越えて協力する。地方空港で両社がグラハン業務を同じ事業者に委託している場合でも、ANA、JALそれぞれに訓練を伴う作業資格を取得するよう求めているが、いずれかの訓練を受ければ、両社における作業資格を満たすものと認める仕組みづくりを検討している。作業資格の相互承認の運用は2024年4月からの開始を予定している。
空港業務は、労働環境の厳しさなどから、毎年一定程度の離職者がいたが、「航空業界」というブランド力で一定規模の就職希望者が存在していた。ところが、コロナ禍を受けて離職者が増加し、人員が大幅に減少。航空需要は回復しつつあるが、現在も離職が続き、中堅職員に過度な負担が集中するという課題も見られる。
ANAとJALは、23年6月に国土交通省が策定した「空港業務の持続的発展に向けたビジョン」を踏まえ、具体的な取り組みの検討を開始。地方空港のグラハン事業者の効率的な人員体制を整える取り組みの一環として、作業資格の相互承認の仕組みづくりを検討している。
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