全国旅行業協会(ANTA、会員5500社)は6月29日、平成28年度定時総会と創立50周年記念式典を東京都千代田区の都市センターホテルで開いた。1966年2月22日の創立から今年は50周年を迎え、二階俊博会長は「観光産業の発展に積極的に貢献することが重要だ」と会員旅行会社の使命を改めて示し、その活躍に期待した。
二階会長は「観光産業は21世紀の基幹産業であることは誰もが認める時代となった。今、会員各社が経営基盤を強固にしながら地域で愛され、信頼される旅行業者として時代の要請に的確に応えることが大事だ。また、わが国の観光産業の発展にいかにわれわれが積極的に貢献をしていくかが重要だ」と述べた。さらに、「5500の会員の皆さんが全旅協の新たな50年の歴史の幕を開き、共に頑張るということを誓い合って、前進を続けよう」と会員に訴えた。
総会では27年度事業報告・決算や28年度事業計画・予算を審議し、いずれも原案通り承認された。28年度事業は、来年3月に「第12回国内観光活性化フォーラム」を金沢市で開催し、会員活動の活性化と着地型観光の振興に努める。東北・東日本観光復興キャンペーンや鹿児島送客キャンペーンにも取り組む。
また、軽井沢スキーバス事故を受けた安全対策や新運賃料金の順守など、バス業界と旅行業界が協力して貸し切りバス旅行の安全対策と事故防止に努める。
国際旅行の振興については、近隣諸国、アセアン諸国を中心に双方向の人的交流促進に引き続き積極的に取り組む。
創立50周年式典では、各種の表彰を行った。会長表彰の支部長・運営委員の部では、北海道支部・吉田電化センターの吉田雅典、徳島県支部・東和旅行サービスの紺野平、長野県支部・信和観光の相馬靖子の3氏を表彰した。
ANTA事業功労表彰の表彰者は、海外関係が中国国家観光局、韓国観光公社、アシアナ航空、国内関係が池田孝昭氏(前全旅取締役会長)、観光経済新聞社など。観光経済新聞社についてはANTA活動に関する日頃の報道や双方向交流事業への協力などが評価されたもので、会場で積田朋子社長に二階会長から感謝状が手渡された。
式典では、「安全・安心の旅の提供」や「お客さまの信頼と信用の向上」など会員の企業行動理念を示した「全旅協創立50周年記念宣言」も行った。