全国旅行業協会(ANTA、会長=二階俊博衆院議員)は11日、着地型旅行の推進による国内観光の活性化と地域振興を目的とする「第10回国内観光活性化フォーラムin和歌山」を和歌山市の和歌山ビッグウエーブで開催した。講演やパネルディスカッションなどには久保成人・観光庁長官や仁坂吉伸・和歌山県知事ら豪華なゲストが登場。全国の5500会員が集客に努め、前回の5700人を上回る1万人という高い目標を超え、来場者数は併催の「地旅博覧会」と合わせ1万2千人を数えた。二階会長の地元、和歌山での節目の10回大会は盛大なものになった。
フォーラムでは、芥川賞作家の辻原登氏を講師とする記念講演「わが聖地・熊野。—そして物語がはじまる」を開催。続いて、「観光振興と未来の創造」をテーマに二階会長、久保長官、仁坂知事らが参加するパネルディスカッションが行われた。
二階会長は「どんな素晴らしい国でも戦争をしている所へは誰も行きたくない。観光を発展させようと思ったら戦争をしてはいけない。観光は平和産業だという誇りをもって皆で進めよう」と訴えた。久保長官は「インバウンドの振興も国内旅行の振興も地域の魅力づくりが基本だ。観光庁はそのための呼び水や仕掛けを作っていく」と観光庁の役割を示した。
パネリストはほかに、日本旅行業協会(JATA)の菊間潤吾会長、中国国家観光局(東京)の張西龍首席代表、錦湖アシアナグループの朴三求会長、日本経済新聞社の芹川洋一論説委員長、ロンドンオリンピック女子体操日本代表の田中理恵さん。コーディネーターは衆議院議員の門博文氏が務めた。
さらに、「地旅大賞」や「学生が作る着地型旅行プラン」の表彰式も実施。「観光立国和歌山宣言」がなされ、閉会した。
大会冊子には安倍晋三・内閣総理大臣も「地旅を目指し、地域の活性化に貢献しようとしている皆様に敬意を表したい」などとANTA会員にコメントを寄せており、和歌山から日本の観光を築き上げる、記念すべき10回目の国内観光活性化フォーラムとなった。
また、フォーラムに併せて、株式会社全旅(池田孝昭社長)の主催により、着地型旅行「地旅」を一般消費者にアピールするイベント「地旅博覧会」も同時開催された。
観光振興について意見を交わしたパネルディスカッション