ベストセレクション

「大菩薩峠」で知られる中里介山が五彩絢爛たる絶景の地と褒め称え、若山牧水が紀行文に認めた白骨温泉の景色。六百年以上前に開湯したと推測され、江戸時代から「三日入れば、三年風邪をひかない」と湯治客を集めてきた効能あふれる温泉。大自然がもたらす２つの恵みを存分に楽しめるのが白船グランドホテルだ。目当ては何といっても山景色と温泉を一挙に楽しめる展望露天風呂だ。肌を優しく包み込むのは空気にふれて白濁する硫黄分たっぷりの湯。乗鞍岳と上高地の山間に湧き出す名湯だ。炭酸成分も含まれていて身体がポカポカ温まってくる。標高が１４００ｍと高地にあるため、自然治癒力も高まるという。大空の下で硫黄臭あふれる掛け流しの湯に身を委ねるひとときはまさに秘境の趣。新緑、紅葉、雪景色…。あるいは山景色、星月夜、朝靄…。いつ訪れても何度入っても、自然が様々な表情で迎えてくれる。夜通し入れるガラス張りの大浴場、内湯と露天風呂を備えた贅沢な家族風呂、景色を眺める窓付サウナ、胃腸病に著しい効果を持つ温泉の飲泉処も用意されている。

客室は和室を中心に広さや眺め違いの５タイプ。多彩な宿泊プランから選べる。角部屋和室は10人のグループ利用も叶えてくれる。

食事は名工の手による枯山水の「かすみの庭」を眺めながら会席料理を楽しむ趣向だ。小上がりの掘り炬燵式の食事処『四季』、椅子席のダイニングルーム『信濃』、中宴会場『雪月花』が庭を囲むように配置されている。信州牛、安曇野ハーブ鶏、県内コシヒカリなど安全な地元食材にこだわった料理が、湯上がりの至福感をさらに増幅してくれる。隠し味には温泉も使われているという。山深く分け入ったその先にある至福の宿と歴史の温泉。必ずまた来ますと、宿のスタッフに告げる。