ベストセレクション

千三百年前から湧き上がる玉造温泉は「一度入浴すれば肌が若返り、二度浴すればどんな病も治癒する」と伝えられてきた日本最古の「神の湯」。佳翠苑皆美は科学的にも効能が実証されているその名泉を、館内３カ所の５つの露天風呂と３つの内湯に満たしている。露天風呂では温泉街や山々の借景、緑庭の情景などを眺めながら開放感や季節の移ろいを味わえる。庭石と木々が醸し出す野趣にも心が和む。入浴を繰り返すほどに潤い化粧水のような泉質が肌に自然のヴェールを作り、肌が変わっていくのがわかる。女性にはそれだけでも嬉しいが、細やかなミストとその成分で身体の免疫力や美肌効果を高める女性限定低温サウナもお勧めだ。その他に手湯や足湯、夜には湯酒屋に姿を変える湯上がり茶屋も用意されている。

ラウンジから眺める庭園の風情もすばらしい。日本の庭園ランキングでも常に上位にランクインしているという。夜はライトアップされて情趣があふれる。その自然のやすらぎと溶け合う客室は和の佇まいが中心。数寄屋造りや上質な和洋室など多彩なタイプが選択肢に応えているが、人気は一昨年に誕生した９室の新客室『神湯の宿り 雲のね』だ。和モダンの意匠に彩られたラグジュアリーな空間はゆったりと広く居住性も抜群。すべての部屋に玉造の湯を湛える露天風呂または外気が感じられる内湯があり、テラスでは移り変わる季節の香ともふれあえる。全棟全室が禁煙だから館内環境もクリーンに守られている。

食事は日本海や宍道湖の幸を老舗旅館「皆美館」から受け継ぐ伝統の味で楽しむバイキング。島根和牛ステーキや剣先烏賊の糸造り、宍道湖七珍の鱸の奉書焼き、焼き蟹など地産の美味にも出会える。食事処のお勧めは庭の緑が映える２つのダイニング。オープンキッチン付の『穀厨』のモダンな雰囲気にも魅せられる。