近畿経済産業局は2月17日、宿泊業界関係者らを対象にしたオンラインセミナー「将来のインバウンド需要回復に向けた観光DXセミナー~宿泊業における競争力向上に向けて」を開催した。宿泊事業者や自治体関係者ら110人が参加。地域DMOの先進事例や宿泊施設内で利用できる最新技術などについて学んだ。
セミナーでは、高橋一夫・近畿大学経営学部教授が「競争力に資する観光DX―ポストコロナのインバウンド誘致」と題して基調講演。
高橋教授はコロナ禍での家計貯蓄率の上昇などを例示して、コロナ禍後のインバウンド需要の回復可能性を指摘。その後、旅館と地域DMOそれぞれについて、求められている観光DX導入のあり方を解説した。このうち旅館については、PMSと連動したオペレーションシステムを独自開発し、生産性の向上や旅館経営の高度化を実現している有馬グランドホテルの取り組みを紹介。
「DX導入でおもてなしと経営の効率性のはざまを埋めている好例だ」と評価した上で、宿泊施設のDX導入推進へまず取り組むべきこととして、(1)経営者の経営、運営における課題認識の明確化(2)デジタル技術導入で変えたいことの明確化(3)DX導入に当たり、社内の業務内容やフロー、組織構造などの見直しと再設計も並行して進めようとしているか――を挙げた。
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