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HataLuck and Person(ハタラックアンドパーソン。東京都中央区)は、店舗DXアプリ「はたLuck」の開発・販売で、サービス産業の業務効率化を提唱するなど一石を投じている。
全国の大手ホテルなどで採用され、利用者数は24万人以上を誇る。昨今の慢性的な労働力不足に頭を悩ますサービス業の現場の生産性向上に一役買い、店舗で働く人のモチベーションを高め、労働生産性を上げていく。
同社では日々、就業者の約6割を占めるサービス産業に従事する人々の仕事に対する意識を高め、活気ある未来を築くべく、試行錯誤を繰り返す。
社長の染谷剛史氏にアプリの説明や、今後の展望を聞いた。
――宿泊市場の現状をどう捉えているか。
染谷 単刀直入に、活況を呈している印象。一昨年5月8日の新型コロナウイルスの5類への移行に伴い、インバウンドの増加が都市圏を中心に顕著で、今後の需要が高まり、収益源の確保につながると考える。
しかし、宿泊事業の現場では、慢性的な労働力不足に頭を悩ますと同時に、業務の生産性の向上や、高付加価値化の実現など、市場拡大に伴って課題が山積している。
実際、100%の稼働が困難な施設も存在し、深刻度は明白だ。
――アプリの説明を。
染谷 サービス業に特化し、シフト・コミュニケーション・マニュアル・エンゲージメントの機能をオールインワンで搭載した業務専用の唯一無二のアプリ。職場で働くアルバイトなど全てのシフトワーカーのスマートフォンから利用可能で、シフト作成やマニュアルの閲覧、情報伝達など職場運営に必要な業務を効率化する。
同時に、アプリのログとサーベイ機能を使ったデータ分析で、職場の可視化から改善施策の提案を実現し、職場改善にも貢献する。アプリを使用することでシフトワーカーにもサーベイに回答してもらうことが可能。実際に顧客接点を担うシフトワーカーのエンゲージメント状態を測定できる点が他社とは一線を画す。
――このアプリを導入した代表的な顧客の反応については。
染谷 焼肉の名門天壇などを運営する晃商(京都市)では、顧客満足度の向上には、アルバイト・パート社員のエンゲージメントやモチベーションを高めることが必須と捉え、昨年4月から全店舗(28施設)での採用に至っている。
「全店舗での採用で、シフト機能を起点とし、シフトワーカーの理解を得て、“連絡ノート”や、“トーク”機能で情報の浸透度が可視化できるほか、エンゲージメント測定が可能になり、より本質的な意見交換や面談の質も向上し、無くてはならない存在」と専務の新井丈博氏を含む関係者は語り、好評を博している。
人手不足が深刻なサービス産業にこそシフトワーカーのエンゲージメント向上によって人材の定着を促し「今いる人材を生かす」方法を見いだして、業界の発展に貢献してほしい。
――昨年末にはシフトワーカーのエンゲージメント向上を目指し「ミニボーナス」機能をリリースしたが。
染谷 「繁忙期のシフト充足への対策」「給与以外での、業務の貢献度に応じた評価機会の創出」といった導入先からの要望の声が多数寄せられ、リリースした。これはシフトワーカーが業務で貢献した際に、本部や店長からデジタルギフトを贈り、従業員のモチベーションアップを促進する。
さらに、デジタルギフト「giftee Box」に登録されているブランドから選択でき、従来の社内優待よりも幅広い選択肢でシフトワーカーの多様なニーズに応えられる。
――今後の展望と、旅館・ホテルに対しては。
染谷 はたLuckを活用することで、現場のスタッフ全員が、やる気を高め、最終的には幸せになってもらいたいという思いを込めて日々アップデートを繰り返している。今後も日本の観光・サービス産業をけん引するべく、現場に寄り添い、新たな機能を拡張していきたいと考えている。
染谷剛史社長(右)と晃商の新井丈博専務