福島県天栄村で、原発視察も予定
オートキャンプへの関心が高まるなか、今年9月、25年ぶりとなるオートキャンプの世界大会が日本で開かれる。場所は東日本大震災と原発事故で大きな被害を受けた福島県だ。テーマは「観光」「交流」「復興」。オートキャンプ関係者は「世界大会を通じて、福島の観光復興に貢献できれば」と意気込む。
この大会は、「FICCオートキャンプ世界大会」で、9月28日から10月6日まで天栄村の羽鳥湖高原を舞台に開催される。
世界大会は世界のキャンパーが言語、民族、国家の垣根を越えて集まる平和の祭典。期間中は世界中からキャンパーが参加し、パーティーやエンターテインメント、エクスカーションなど多彩なプログラムを通して、開催地の文化や伝統に触れ、自然の中で親睦を深める。
実行委員会は復興をテーマの一つに掲げたことについて、「参加したキャンパーが海外で日本の観光と日本人の魅力を発信し、より多くの人が福島を訪れることで復興に寄与する。日本がキャンプを楽しめる自然豊かな国であることが世界に発信されることで、多くの人に日本を訪れてもらう」と説明する。
28日の開会式は地元小学生による鼓笛や各国の民族衣装に身を包み、地元を練り歩くオープニングパレードで始まる。会期中は地元の恒例イベント「てんえい商工祭」や各国参加者による出し物「インターナショナルナイト」などさまざまなイベントが予定されている。
また、周辺の観光地を訪れるエクスカーションでは福島第1原発の視察も組み入れられており、原発の”いま”を見ることができ、注目を集めそうだ。
世界大会の参加費はパーティー代、キャンプサイト料金を含み大人1万8千円、ユース(13~22歳)1万5千円、ジュニア(6~12歳)9千円。5歳以下は無料。
日本オートキャンプ協会によると、FICC(国際キャンピング・キャラバニング・オートキャラバニング連盟)はベルギーに本部を置く世界最大の国際キャンプ組織で、現在は39カ国70団体が加盟している。アジアでは日本のほか、中国や韓国、台湾が加盟。
世界大会は1933年に英国で第1回大会が開かれ、今回で89回目となる。日本では83年に静岡の大野路ファミリーキャンプ場と滋賀のマイアミ浜キャンプ場、94年に島根の石見海浜公園で開かれた。島根大会には1284人が参加し、うち外国人は20カ国の427人だったという。
94年の島根大会には秋篠宮ご夫婦
(現皇嗣、皇嗣妃)もご出席された=日本オートキャンプ協会提供