国交相「早期収束が最大の支援策」
新型コロナウイルスの感染拡大に伴う首都圏の1都3県を対象にした緊急事態宣言の発令を踏まえ、政府は7日、国内旅行の需要喚起策、Go Toトラベル事業について全国一律の停止措置を2月7日まで延長することを決めた。年末年始に実施された一時停止措置を継続する。国土交通省は、早期の感染封じ込めに取り組むとともに、観光関連産業への影響を危惧し、事業者への支援策などを強化したい考えだ。
新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく緊急事態宣言で、対象区域は、東京、埼玉、千葉、神奈川の1都3県。飲食店に対する営業時間の短縮、夜間の外出自粛、テレワークの推進などが要請の柱。不要不急の外出、移動の自粛も要請されている。対象区域は13日午後の時点で、さらに7府県の追加が検討されている。
Go Toトラベル事業は、年末年始の感染拡大防止対策として昨年12月28日から今年1月11日までの間、新規・既存予約を問わず、全国で一時的に事業を停止する措置がとられていたが、引き続いて2月7日まで延長となった。対象商品は1月31日までの旅行が販売されており、既存予約については、旅行予定者にキャンセル料が発生しないようにし、事業者に一定額の補填(ほてん)を行う。
Go Toトラベル事業の停止延長について、赤羽一嘉国交相は7日の国交省新型コロナウイルス感染症対策本部で、「観光関連産業への影響を考えると断腸の思いではあるが、感染の拡大を早期に落ち着かせて、事業を再開させることこそが最大の支援策」と説明した。観光関連産業を含む所管産業の支援策について、本省の各局、地方の出先機関に対し、万全の対応を指示。関係省庁にも支援措置の拡充、延長を働き掛ける考えを示した。
コロナ禍を踏まえた観光施策について政府は昨年12月に「感染拡大防止と観光需要回復のための政策プラン」を策定した。Go Toトラベル事業は感染状況を踏まえながら、6月末までを基本に実施期限を延長する方針を決めた。事業費も追加し、2020年度予算の予備費から約3千億円を支出し、さらに第3次補正予算案に約1兆円を計上した。
Go Toトラベル事業の再開の考え方に関して赤羽国交相は8日の会見で、宣言の対象地域や感染拡大地域を除いた部分的な再開などを検討する可能性を記者団から問われたが、「Go Toトラベル事業が今後どうなるかというのは、まだ緊急事態宣言が発出されたばかりで、仮定の話となるので、現段階で断定的に答えることはできない」と述べるにとどめた。
Go Toトラベルについて語る赤羽国交相(8日の会見)