このほどゴールデンウイーク(GW)期間中(4月25日〜5月6日)のJR、航空会社、高速道路各社の輸送・利用実績がまとまった。JRグループ6社は利用者が前年比5%減。空路の総旅客数は、JALグループが前年比2.5%減、ANAグループが同5.7%減。各社とも前年割れした。高速道路も主要9区間中7区間が前年実績を割り込んだ。日並びの悪さに加え燃油価格高騰の影響もあり、各社とものび悩んだ形となった。
JR 後半好調も、前年割れ
JRグループ6社の旅客数は、前年比5%減の1173万2千人。日並びから前半の動きが鈍く、後半は線区によっては前年実績を超えたものの、全体としては低調。
JR北海道は主要4線区の特急、急行列車の利用者数が前年比6%減の35万6千人。本州、函館、旭川、釧路の各方面とも前年割れ。
JR東日本は新幹線、特急、急行列車の利用者が、前年比6%減の458万人。新幹線は同5%減、在来線が同8%減。このうち、秋田新幹線が同10%減。羽越本線(同10%減)、内房線(同13%減)、東海道本線(同14%減)も2ケタ減となった。
行楽地最寄り駅の降車人員は、山梨県の大月駅で前年比9%増の43万4千人と伸びた一方、期間中「弘前さくらまつり」があった青森県弘前駅は、57万4千人で、同29%減と大きく減らした。首都圏での近距離切符の発売実績は、鉄道博物館のある大宮駅で同6%増の91万3千枚。
JR東海は東海道新幹線と在来線7線区で前年比4%減の352万5千人。前半は新幹線、在来線とも前年比2ケタ減だが、後半は新幹線(同5%増)、在来線(同1%増)とも好調だった。
JR西日本は新幹線で同5%減の2千5万人。在来線。いずれもGW前半は大きく前年を割り込んだが、後半は新幹線(同4%増)、在来線(同1%増)とも前年を超えた。
JR四国は瀬戸大橋線で同4%減の312万8千人、主要3線区で156万5千人と前年を下回った。
JR九州は在来線特急が主要3選区計で約66万4千人と前年並。新幹線は同3%減の約12万8千人。
航空各社 座席絞り込み影響
JALやANAなど国内航空路線を運航するキャリアの利用実績は、各社とも前年を割り込んだ。提供座席数を前年比2〜3%前後絞っていることが影響した。
日本航空、ジェイ・エア、JALエクスプレスの利用状況は、総旅客数が126万8236人で、前年比3.1%の減少。利用率は同0.2%増の65.4%で、横ばいの結果となった。方面別では関西、沖縄・奄美方面が好調。
ANAグループの利用状況は、総旅客数が145万5585人で、同5.7%の減少。利用率は63.4%だった。方面別では九州方面が好調。提供座席数を同1.4%増やしたことが奏功し、旅客数は同1.1%増。
スカイマークは、総旅客数が12万5190人で、前年比4.9%の減少。路線別では羽田〜那覇便で提供席数を同38.7%増やしたことから、旅客数が同37.6%増と好調だった。全路線の利用率は81.6%で、同2・4%の減少となった。
エア・ドゥは、総旅客数が5万9428人で、前年比9.9%の増加。提供席数を同9.5%増やしたことが奏功した。路線別では札幌〜東京便の提供座席数を前年に比べ30%増やしたことなどから総旅客数が同23.6%増加した。全路線の利用率は、79.7%で、同0.2%増と横ばいだった。
スターフライヤーは総旅客数が3万2953人で前年比15.1%の減少となった。全路線の利用率は67.6%で、同6.3%減と伸び悩んだ。
高速道路 前年割れ路線目立つ
高速道路3社の期間中の高速道路利用状況(速報)は、主な高速道路(道央、東北、関越、東名、中央、名神、東名阪、山陽、九州)の1日あたりの利用台数が442万4662台で、対前年1.2%減だった。前年割れした路線が目立つ。大きな利用台数の減少はないものの、ガソリン価格上昇の影響もあるようだ。
道路別では、中央道(対前年1.3%増)、九州道(同0.1%増)が前年実績を超え。このほか、道央道は同5.4%減、東北道は同2.4%減、関越道は同0.2%減、東名道は同1.8%減、名神道は同2.0%減、東名阪道は同6.1%減、山陽道は同0.5%減と軒並み前年割れ。道央道、東名阪道の減少が目立つ。
渋滞回数は、10キロメートル以上の渋滞が214回で、対前年15.4%の減少。30キロメートル以上の渋滞は28回で、同40.0%の増となった。