JTB総合研究所は4月26日、ゴールデンウイーク(GW)の宿泊旅行動向についてまとめ、旅行者数は前年比90.0%増の950万人との推計値を発表した。対象期間は、過去のGWと比較するため、4月25日~5月5日を含む旅行。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言が全国に発出された昨年と状況が異なり、今年は緊急事態宣言や、まん延防止等重点措置の対象外の地域があること、また、日並びは5連休があり、その前の平日1日を休めば7連休、前後の土日を絡めると長期休暇も可能なことから、「昨年に比べ一定程度の旅行者は増える」(同社)と見込む。
1人当たりの平均費用は前年比12.5%増の3万2300円と推計。「域内旅行志向による平均泊数の低下や、将来への不安による旅行費用の抑制傾向が見られる一方で、実際の暮らし向きはそれほど悪い状況ではなく、また多少割高でも新型コロナの感染防止を優先する傾向から、平均費用は20年GWを上回ることが予測される」と同社。
国内旅行総消費額は前年比113.8%増の3069億円と推計した。
しかし、コロナ禍前の2019年に比べて旅行者数は39.6%、国内旅行総消費額は35.6%、実額にして5551億円の減少となり、旅行市場への影響は依然大きい。
「旅行を予定している人は、新型コロナの感染防止を最優先し、20~21年の年末年始よりさらに域内志向が強まり、近場で短期間の旅行、自家用車での移動、密を避け、他の旅行者や住民との接触を極力避ける旅先や宿泊施設を選ぶ傾向が見られる」と同社。東京都、大阪府、京都府、兵庫県を対象とする5月11日までの緊急事態宣言や、対象県が拡大されたまん延防止等重点措置の影響によって、首都圏・関西発着の移動が大きく縮小すると見込まれる。
この推計は今後の感染状況や政策対応次第で変わる可能性があるという。