HISグループ ハピロボ、自立走行・AI搭載ロボ「temi」発売


temiをPRする澤田会長(左)、富田社長(中央)、ゴレンCEO

 HISグループのhapi―robo st(ハピロボ、澤田秀雄会長、富田直美社長)は11月1日、新たなパーソナルロボット「temi」を発売する。temiは、世界のどこからでも「自らがあたかもそこにいるように」コミュニケーションできるAIアシスタンス機能を持ち自律走行するパーソナルロボットで、価格は29万8千円(税別)。一般家庭、法人を問わず販売し、ロボットのある生活、環境を実現し、同グループの新たな柱としての成長を目指す。

 temiは、ハピロボが国内総代理店として契約するロボット開発メーカー「temi USA」(米国)が開発したロボット。高さは100センチで、10.1インチディスプレイ、マイク、スピーカー、カメラを備える。登録地点まで自律して障害物をよけながら案内を行うほか、対話型で、音声操作に対応したスマートスピーカー(AIアシスタント機能)、情報の検索、家電連携、ビデオ通話、高音質なスピーカーによるメディア再生などの機能を実装する。また、AIアシスタントとして、アマゾンアレクサと連携ができ、アレクサの機能も使える。1回の充電で約8時間稼働する。遠隔地でのコミュニケーションツール、施設での案内、会議での活用などが想定されている。

 17日には記者発表会を開催。富田社長は「世界で一番優れ、誰もが使えるロボットを安価で提供する。移動するのに操縦の必要はなく、おばあちゃんから子どもまで誰でも使えるスマホのロボット版と思ってもらえれば」と強調した。また、ANAホールディングスが発表したコミュニケーションロボット「newme」(ニューミー)についても触れ、「ニューミーはタブレット端末での操縦が必要だが、temiは不要であり、誰でも使いやすい」と話した。

 temi USAのガル・ゴレンCEOは「繰り返し仕事をこなす産業用のロボットとは違う。AIやアルゴリズムを駆使し、誰でも使えるロボットとなっている。ロボットは、ユーザーが次に何を望んでいるかを知って、提供してくれる。直観的に使ってほしい」と述べた。1年間で2万台の販売を目指す。アメリカでは6月から、中国では9月から販売している。

 ロボット事業の位置付けについて、澤田会長は「今回は本格的なロボットを販売する。現在は旅行業が主軸だが、ハウステンボス、ホテル、エネルギー、植物工場、金融など異業種とともに進めているのがロボットだ。開発、販売を進め、グループの主軸にできれば」と語った。また、ロボットの活用方法については、「HISの店頭案内でも活用を考えている」と店舗での新たな可能性を示した。

 temiの導入パートナーには、NTTファシリティーズ、大塚商会、大和ハウス工業、蔦屋家電エンタープライズ、パルコなど9社が参画。今後、パルコ、蔦屋ではtemiを店頭に配備する予定だ。また、大塚商会は「すでに250社と商談が進んでいる」と販売拡大への自信を見せた。


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