エイチ・アイ・エス(HIS)は1日、新たな事業領域の進出として人材派遣業に関する許認可を取得し、農業向け人材派遣業を本格始動した。全国の農業生産者のもとへ、農繁期の人材のあっせん、派遣を請け負う。「海外から外国人労働者を招くことが困難な状況だ。農業に関心のある国内の人材、HIS社員も動員して農作業に携わる人材を派遣する」と同社。
同社は、今年6月1日に労働者派遣事業や特定技能外国人支援事業などを行う「グリーンオーシャン」(東京都新宿区)を設立。グリーンオーシャンでは、季節で業務の繁閑差が著しく、通年雇用が原則である技能実習生の雇用だけでは人手不足となっている農業生産者に繁忙期にのみ働き手を派遣する。働き手には、季節ごとに繁忙期が異なる地域を通年で組み合わせることで良好な待遇を提供する。「機動性に富むサービス『農繁期産地間リレー派遣』で、生産者と働き手双方が満足な状態を作り上げる」とグリーンオーシャン。
来年以降は、入国制限が解除された際に同社が持つ海外61カ国の現地法人と連携し、世界各地から日本全国の農業生産者のもとへ、働き手となる人材のあっせん、派遣を行う予定。