JALと中国国家観光局は7日、日中国交正常化35周年記念「JAL中国セミナー~日中両国の更なる経済・文化交流と観光の発展を目差して」を東京国際フォーラムで開いた。一般参加者、旅行業関係者など約1000人が参加した。
JALの西松遙社長は冒頭あいさつで「日中国交正常化が実現した1972年に私はJALに入社した。翌73年に日中友好のシンボルとしてカンカン・ランランの2頭のパンダが来日した」と披露。さらに「74年に中国路線を開設した。当時はDC―8の機材で東京、大阪、上海、北京と周る週2便の運行だったが、現在では13都市、週271便に拡大した」として日中間交流が着実に進んできたことを示した。
張西龍中国国家観光局首席代表は「観光は平和をつくりだす。両国の理解と友好を深めるのに最も有効な手段」と観光交流の意義を強調。「昨年は日中観光交流年で、両国間の人的往来は450万人に達した。今年は500万人の目標を掲げている」と続けた。また「2008年の北京オリンピック、2010年の上海万博に向けて、世界各国から来る旅行者に“やさしい”インフラを整えていく」として、中国が外国人観光客の受入れを国家戦略の1つとして位置づけていることを示唆した。
セミナーでは王毅駐日本国特命全権大使が講演。「温家宝首相が4月に来日する。両国指導者間の信頼関係がさらに強化される」とした上で、「中国人の昨年の海外旅行実績は3400万人超だが日本に来たのはそのうち80万人超に過ぎない。近い将来に1割、340万人が訪れるようになるだろう」と話し、訪日中国人旅行客の潜在力の大きさを示した。
セミナーではこのほか、阿南惟茂前中国大使夫人の歴史学者、阿南バージニア史代氏が「日中文化交流の源流、慈覚大使円仁 唐の旅」と題した講演を行った。
王毅大使(左)西松社長(右)