JAL・ANA、中間決算は両社増収減益


国内線は観光、ビジネスとも好調

 JALグループ(JAL)とANAホールディングス(ANA)はこのほど、2020年3月期(2019年4~9月)中間決算を発表した。JAL、ANAとも国内線は観光、ビジネス客を取り込み堅調に推移するも、国際線は韓国、香港の政情不安など国際情勢の変動により、ビジネス客が減少した。両社とも増収減益となった。

 JALは、グループ連結売上高が前年同期比1.3%増の7598億円、営業利益が同16%減の813億円、経常利益が同12.5%減の825億円、四半期純利益が同30.2%減の512億円だった。国際線、国際貨物が不調だった。

 国際旅客の売上高は同1.2%減の2692億円に。日本発の観光需要が堅調だったが、世界経済の減速に伴う日本発のビジネス需要が減るほか、欧州線などで競合他社の供給増による需給バランスの悪化、香港、韓国での政情不安による需給減が影響し、減益となった。国内旅客の売上高は同3.3%増の2681億円に。観光とビジネス双方の需要が堅調だった。特に沖縄方面が好調だった。台風の影響を受けるも、ゴールデンウイークや夏季休暇期間など高需要期で羽田―沖縄線や羽田―札幌(新千歳)線の増便などを行った。また、天草エアラインやフジドリームエアラインズとのコードシェアを新たに設定するなどした。

 ANAは、グループ連結売上高が同1.7%増の1兆559億円、営業利益が同25%減の788億円、経常利益が同20.8%減の815億円、四半期純利益が同23%減の567億円だった。来年に控える首都圏空港の発着枠拡大に備えた人件費、機材費、整備費などが増加し、減益の要因となった。

 国際旅客の売上高は同2.3%増の3385億円に。ビジネス需要が減少するも、ネットワークの拡大に伴い、ハワイ線、欧州線の旅客数が増加した。7月から成田―ホノルル線で、エアバスA380型機「FLYING HONU」での運航を週3便から週10便に拡大するほか、9月に成田―パース線を新規開設するなどした。国内旅客の売上高は同4.7%増の3687億円に。好調なビジネス需要と訪日客の国内移動に加え、ゴールデンウイークの需要を取り込んだ。各種割引運賃も需要に応じて設定した。このほか、5月から成田―中部線の増便のほか、夏季の一部期間で福岡―宮古線の再開、関西―宮古線、羽田―那覇線の深夜便を増便するなど、路線ネットワークの充実を図った。

 20年3月期の連結業績予想について、JALは売上高が1兆5160億円、営業利益が1700億円、経常利益が1710億円、当期純利益が1140億円とし、売上高を下方修正した。ANAは売上高が2兆900億円、営業利益が1400億円、経常利益が1370億円、当期純利益が940億円とし、売上高、営業利益、経常利益、純利益のいずれも下方修正した。両社とも国際線での苦戦などを見込んでいる。

 
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