JAL、28年度EBIT2300億円目標 国際線拡大で成長加速へ


既存事業の構造改革深化と社会課題解決型の新領域開拓を両輪に

JALグループは3月19日、2025年度までの中期経営計画の最終年度に向けた「ローリングプラン2025」を策定したと発表した。コロナ禍からの回復を経て、今後の成長戦略を明確に示す内容となっている。

JALグループが発表した「ローリングプラン2025」は、2021年度から始まった中期経営計画の完遂に向けた具体的な取り組みと、2026年度以降の成長戦略を示している。同社は、コロナ禍からの回復を踏まえ、既存事業の構造改革深化と社会課題解決型の新領域開拓を両輪とした成長戦略を打ち出した。

計画によると、2025年度のEBIT(利息・税金控除前利益)は2,000億円を目指す。さらに2028年度には2,300億円の達成を掲げ、中長期的な成長への意欲を示している。この目標達成に向け、国際線の拡大、国内線の収益性改善、生産性向上、マイル・ライフ・インフラ事業の成長、GX(グリーントランスフォーメーション)の取り組み加速などを推進する。

特に注目すべきは、国際線事業の強化だ。JALグループは、フルサービスキャリアとLCC(格安航空会社)の両面で規模を拡大し、成長を加速させる方針を示した。国内線については、ボーイング737-8やエアバスA321neoの導入による需給適合と生産性向上を通じて収益性の改善を図る。

また、JALグループは経営資源の配分においても、成長領域への重点投資を明確にしている。国際線の機材大型化やマイル・ライフ・インフラ事業、新領域への投資を強化する一方で、株主還元の早期実現も目指すとしている。

さらに、JALグループは社会課題解決型の事業創出にも積極的に取り組む姿勢を示した。既存の航空事業を通じた「移動を通じた関係・つながり」の創出に加え、中長期的には新たな社会課題を起点とした事業展開を視野に入れている。これにより、グループ全体の事業成長と企業価値向上を目指す。

JALグループの成長戦略の特徴として、事業横断的なアプローチが挙げられる。具体的には、顧客の価値観を中心とした顧客戦略、多様な人材の活躍を促す人財戦略、そしてAIやデータを活用したDX戦略を推進する。これらの戦略を通じて、顧客ニーズへの的確な対応と組織の生産性向上を図る考えだ。

JALグループの今回の発表は、航空業界全体が直面する課題に対する同社の明確な方向性を示すものといえる。気候変動や人材不足、継続的な物価上昇など、コロナ禍以降の環境変化に対応しつつ、持続可能な成長を実現するための戦略が詳細に示されている。

 
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