日本音楽著作権協会(JASRAC)は2月10日、「こころ音(ね)プロジェクト」の一環として福島市に対し、「福島駅前交流・集客拠点施設(仮称)」の建設費用の一部を寄付した。寄付総額は1650万7767円で、3月28日にはJASRACの浅石道夫理事長が福島市役所を訪問。木幡浩市長に寄付目録と記念のプレートを手渡した。
こころ音プロジェクトは、JASRACの会員・信託者が指定した作品の著作物使用料を震災復興支援基金「こころ音基金」として預かり、東日本大震災の復興支援に役立てる取り組み。福島駅前交流・集客拠点施設は現在の公会堂と市民会館に替わる施設として2026年の開館を予定。市民の多様な文化芸術活動の促進とコンベンション機能を備えた新たな交流・集客拠点となることが期待されている。
木幡市長は、「東日本大震災からの復興はまだ道半ばだが、福島市は朝ドラ、エールのモデルになった作曲家、古関裕而が誕生したまちとして、福島駅前に多彩なコンサートなどを開催できる交流施設を整備し、これを拠点にまちなかに音楽があふれる文化的なまちづくりを進めていく」としている。
JASRACはこれまでこのプロジェクトを通じて、岩手県釜石市の「釜石市民ホール TETTO」、宮城県石巻市の「マルホンまきあーとテラス」、岩手県陸前高田市の「奇跡の一本松ホール」の建設費用の一部をそれぞれ寄付し、被災地支援に取り組んできた。福島県内の市町村への寄付は今回が初。
「今回の寄付でこころ音プロジェクトの活動は終了するが、今後も被災地の復興と音楽文化の振興を支援する」とJASRAC。
寄付目録を受け取る木幡市長(左)と浅石理事長