新しいMICEの形を提案
日本観光振興協会、日本旅行業協会(JATA)、日本政府観光局(JNTO)は17日、「ツーリズムEXPOジャパン2021」(TEJ2021)を大阪・関西(インテックス大阪・大阪市住之江区)で開催すると発表した。開催期間は2021年11月25日から28日まで。2025年に開催される大阪・関西万博を見据えながら、大阪・関西から観光産業の復活を世界に発信する。
TEJの大阪開催は、2019年以来。「VISIT JAPAN トラベル&MICE マート(VJTM)2021」(主催、JNTO)も同時開催する。
出展の申し込みは、TEJ沖縄開催初日の10月29日から開始。20年の沖縄と東京の申し込み者には特別の割引プランを用意する。
また、20年に申し込んでいない企業団体には早期割引料金を用意している。
TEJ沖縄は、「旅のチカラで日本を世界を元気に!」がテーマ。(1)ニューノーマル時代のMICEの新しいカタチ(2)安全安心なイベントモデルを示す(3)国内旅行で地域経済の復活を(4)国際交流復活の契機とする(5)新しいツーリズムのカタチを沖縄から世界に発信する―の五つを掲げて開催する。新型コロナウイルス感染症への対策として、「ハイブリッド型」「ソーシャルディスタンス」「非接触型」を導入する。
ハイブリッド型としては、オンライン商談会を初めて実施するほか、国際会議で海外からのビデオメッセージとリアル登壇によるパネルディスカッションを組み合わせ、動画配信も行う。
ソーシャルディスタンスでは、展示会場の入場者数を5千人または収容人数の50%以下までに制限する。関係者、一般入場者を含めた全ての入場者が対象。事前にQRコードを発行し、入場者数を管理する。このほか、劇場棟では座席を1席おきにし、登壇者から5メートルの間隔を確保する。
非接触型としては、人の接触を避けるために会場内でのパンフレットや飲食体験などは手渡しでなく、来場者自身が取る方式を推奨する。また、会場外のフードコーナーでは初めてキャッシュレス決済を導入する。
業界日(10月29、30日)では、フォーラム&セミナーとして、世界各国の大使や国際観光機関や団体の代表などが参加する「インターナショナル・ツーリズム・フォーラム」のほか、沖縄を代表するエンターテインメントを紹介する「OKINAWA NIGHT」、ダークスカイツーリズム(星空観光)やアドベンチャーツーリズム、DXなどを題材とした「テーマ別シンポジウム」、第7回世界遺産サミットなどが行われる。
展示会場では、約400小間が設けられ、国内外の観光事業者が出展を行う予定だ。また、同時開催する「フェスティバルウィーク」では、吉本興業の協賛で毎年開催されている「沖縄国際映画祭」やダンスイベントなどが行われる。
同日に開催された定例会見では、TEJ推進室の早坂学室長が「コロナ禍に対応するとともに、新しい展示会の形を提案したい」と話した。入場者数は、業界日が開会式で約800人、商談会で約150人の計千人、一般日は予約制で最大5千人を1日2回に分けて行うなど計2万人を想定している。
JATAの池畑孝治理事・事務局長は「旅の楽しさをBtoCでアピールしながら商談も成立させる重要な局面だ。展示会が開催されない今こそTEJの責任で行い、旅の力の素晴らしさを伝えたい」と強調した。1月の東京開催に向けては、「Go Toトラベルキャンペーンが佳境を迎える時期に行う。オンラインを活用したハイブリッド型の形でツーリズム産業を盛り上げる取り組みとしたい」と述べた。
会見の様子