アジア最大の旅行イベント「JATA国際観光会議・世界旅行博2010」が9月24〜26日、東京都江東区の東京ビッグサイトを会場に開かれた。国際観光会議では、加賀屋(石川県・和倉温泉)会長の小田禎彦氏もシンポジウムに登壇し、地方へのインバウンド市場の拡大策について持論を披露した。例年よりも開催日が1日少ないながら、世界旅行博の来場者数は昨年の11万784人を超えて11万1232人となるなど、「盛況裏に終了した」と主催者。
国内外の業界関係者が諸課題の解決策を探る国際観光会議は「ツーリズム新時代──更なる旅の質を問う」が今回のテーマ。23、24日の2日間で、90カ国・地域の1078人(昨年90カ国・地域、1016人)が出席した。
基調講演で日本総合研究所理事長の寺島実郎氏が「世界の構造転換とツーリズム産業の行方」について語り、パネルディスカッションでは、ツーリズム発展のキーワードを「旅の質」ととらえて、海外と日本のパネリストが議論を展開した。
インバウンドとアウトバウンドに関する討議もあり、インバウンドセッションはKNT(近畿日本ツーリスト)専務の越智良典氏をモデレーターに進行。加賀屋の小田氏が、ニュージーランド政府観光局日本局長らと共に、市場を地方で拡大するための地域ブランディングと観光促進の取り組みについて語った。
海外旅行イベントの世界旅行博には139カ国・地域(昨年151)から685の企業・団体(同699)が出展。世界各国の政府観光局などが国際色豊かな衣装やブース装飾で来場者の旅情を誘うなか、尾瀬檜枝岐温泉や信州飯山、飛騨など日本の観光地もPRにいそしんでいた。
大勢の人でにぎわう会場