日本旅行業協会(JATA、1123社)は18日、第58回定時総会を東京・大手町の経団連会館で開き、役員改選で新会長にJTB社長の田川博己氏を選任した。菊間潤吾会長(ワールド航空サービス会長)は副会長に就いた。田川新会長は、リーダーシップを発揮し、観光立国を実現するために海外旅行、国内旅行、訪日旅行の三位一体の発展に取り組むと力強く宣言した。
定款を変更し、目的の項目に「海外旅行、国内旅行並びに訪日旅行の三位一体での旅行の促進」を明記。副会長の定数も2人以内から3人以内へと増やし、吉川勝久副会長(KNT—CTホールディングス会長)を再任し、副会長に日本旅行社長の丸尾和明氏を新たに加えた。菊間新副会長が海外旅行、吉川副会長が国内旅行、丸尾新副会長が訪日旅行を担当する。
田川新会長は「観光立国の実現には海外、国内、訪日の三つの事業分野が三位一体で発展していくことが不可欠だ。この3分野をカバーし、推進できる団体はJATA以外にはない」と強調した。また、その象徴的な事業が「ツーリズムEXPOジャパン」だと指摘し、「JATAがエンジン役となって、オールジャパンでその成功に向けて取り組んでいく」と意気込みを示した。
菊間会長は、田川会長体制への移行の理由について、「国、経済界を挙げて観光への期待が高まるなか、JATAの役割は飛躍的に大きなものになってきた。東京オリンピックも決まり、新しいステージのなかで、どうしたらJATAが最も力を発揮できるかを考えた」と打ち明けた。
役員改選ではまた、新たな理事にトップツアー社長の坂巻伸昭氏、阪急交通社社長の松田誠司氏が選ばれている。
2014年度は、「価値創造産業への挑戦」を基本方針として、「新しいライフスタイルや生きがいの提供など旅行業の価値創造に向けた活動を強化する」(田川新会長)。
事業は「業界の健全な発展のために休暇制度の改革提言などの旅行機会創出や経営基盤強化に向けた環境整備の取り組み」や「ネット流通やグローバル化推進に対応する施策検討」「ツーウェイツーリズム推進による旅行会社の取り扱い拡大、旅行需要創出」などを計画。具体的には国内旅行部門では宿泊旅行拡大のムーブメントづくりとして「ニッポンを遊びつくせ!」キャンペーンを展開する。
田川新会長(右から2番目)を3副会長が囲む