JATA田川会長、「江原道名誉知事」に就任


江原道名誉知事に委嘱された田川会長(左)と崔知事

 韓国・江原道(カンウォンド)は6月18日、日本旅行業協会(JATA)の田川博己会長を名誉道知事に任命した。同日には江原道の鉄原(チョロン)平和展望台で委嘱式を実施し、委嘱状の授与や「JATAキャンペーン」の紹介などを行った。今後、江原道とJATAは協力し、江原道への誘客拡大を図る。

 委嘱式では、江原道の崔文洵(チェ・ムンスン)知事ら江原道関係者らが田川会長の顔写真入りの横断幕を掲げるなどし、JATA一行を歓迎。崔知事から田川会長に名誉道知事の委嘱状を授与するほか、名誉道知事の名刺が手渡された。また、江原道、JATA、韓国観光公社(KTO)が共同で、6月から1年間JATAキャンペーンを発表。キャンペーンでは、JTB、阪急交通社、HISが中心となり、江原道への商品造成・販売、販売プロモーションを行う。

 式典では崔知事が「鉄原平和展望台はDMZ(非武装地帯)から最も近い位置で、労働党舎があるなど、戦争前は元々北朝鮮だった場所。この地を飛び交うタンチョウヅルは、日本、韓国、北朝鮮を渡り、その中心地が江原道だ」と3カ国の交流の中心地が江原道と説明。昨年に江原道で開催された平昌五輪について触れ「単一国家で最も多く、ソチ冬季五輪の5倍となる観光客を送客してくれたのが日本であり、感謝している。平昌五輪の遺産は和解、平和だ。この地域が観光地として開放されることを祈っている」と述べた。また、韓国を訪れた外国人に訪れたい場所をテーマにアンケートをした結果、DMZが第1位(約3割)だったことを紹介した。

 名誉知事となった田川会長は「平昌五輪でも連携したが、今後はさらに連携を深めていきたい。韓国の歴史や文化を知らないと日本の歴史を語れないことはたくさんある。名誉知事の職責を果たし、日本、韓国、江原道の絆が深まるようにタンチョウヅルのように努力したい」と決意を語った。

 来賓からは、韓国旅行業協会(KATA)の呉敞熙(オ・チャンヒ)会長が「韓国のインバウンドがソウルに集中していることが悩みであり、今後は地方に訪れる形へと変えていきたい。今は両国で1千万人が行き来しているが、将来的には1500万、2千万人へと共に伸ばしていきたい」と目標を示した。

 KTOの金萬眞(キム・マンジン)海外マーケティング室長は「来年は国交正常化55周年を迎える。さらなる交流の活性化のためにも力添えいただきたい」と連携を呼び掛けた。

 江原道名誉道知事は江原道の発展、利益の創出のために人的資源の確保とネットワークの構築に向けて運営条例のもとに厳正な審査のもと選出。今後は、諮問や政策的な提言、広報などを行う予定だ。日本人で名誉知事となったのは鳥取県の平井伸治知事に続き2人目。

 江原道は2019年の外国人観光客の目標人数に300万人を掲げている。日本からの誘致は、2割である60万人に設定している。

 また、江原道では3月に新LCCとしてフライ江原(カンウォン)が設立。交流拡大に向け、襄陽国際空港から日本へのチャーター便を運航するほか、将来的には定期便を就航させる計画だ。

 委嘱式の後は、江原道内のホテルで懇親会が開かれ、両国の絆を深めた。JATAの越智良典事務局長は「委嘱式をなぜ鉄原で行うのかと思ったが、実際この地に来て視察し、皆さまにももてなされ100倍感動した。この感動を忘れず、期待に応じられるように頑張りたい」と意気込んだ。


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