
日本旅行業協会(JATA)は、第9回「ジャパン・ツーリズム・アワード」の募集を3月17日から開始する。今回は他薦での応募を可能としたほか、前回まで設定していた二つの領域(国内・訪日領域、海外領域)を廃止に。より幅広い取り組みを表彰できるよう制度を進化させた。5月30日まで応募を受け付ける。
「ジャパン・ツーリズム・アワード」は、ツーリズムの発展・拡大に貢献した企業・団体・組織・個人の持続可能で優れた取り組みを表彰するもの。受賞した取り組みを広く社会に知らしめることで、ツーリズムへの理解促進や発展に寄与することを目的としている。2015年の第1回以降、さまざまな企業や団体が表彰されており、前回の第8回アワードでは、「国土交通大臣賞」に愛知県の「『休み方改革』プロジェクト」が、「経済産業大臣賞」には、ナビタイムジャパンの「訪日外国人向け観光ナビゲーションサービス『Japan Travel by NAVITIME』(インバウンド)」が選出されている。
今回のアワードでは幅広い取り組みを募ることを目的に、①他薦での応募可②募集領域の廃止―の変更を加える。
①は、第3者の視点から見て優れた取り組みを「紹介」するような形で応募できるようにする。応募に関しては、これまで「自社の取り組みが優れているのかわからない」といった問い合わせが多かったことや、その影響で応募をためらうといった事象が学生などに見られたこともあり、今回他薦を導入することで他者の取り組みを把握しやすくする。
②は、従来の「国内・訪日領域」「海外領域」を廃止とし、日本からのアウトバウンドや海外における取り組みについてもスポットを当てられるようにする。領域という区切りを廃止することで、より幅広い優れた取り組みの応募を促進する。
応募者や応募取り組みの対象は前回から変更はなく、引き続き「ツーリズムの拡大に資する事業展開をしている組織・企業・団体」「観光の振興・発展に貢献した個人」を対象に、①持続可能な観光地域づくりへの取り組み②国際相互交流促進への取り組み③国内交流拡大への取り組み④アウトバウンド拡大への取り組み―を募集する。募集件数目標は、コロナ前と同水準の150件に設定する。
審査のポイントも前回同様、①革新性②事業性③持続可能な観光への貢献④地域活性化への貢献―の四つとなっているが、③の項目から「レジリエンス」という言葉を削除した。特定の言葉を記載することで応募の間口を狭めてしまう可能性を下げる狙いがある。これら四つのポイントを、審査委員(委員長=本保芳明・国連世界観光機関【UN Tourism】駐日事務所代表)が総合的に評価する。
表彰も前回同様に「国土交通大臣賞」「経済産業大臣賞」などが設けているが、「学生が選ぶジャパン・ツーリズム・アワード」を2本に増枠した。JATAによると、学生の斬新な視点をさらに取り入れ、若年層に引き続き観光に目を向けてもらうという意図があるとしている。そのため今回は、「国土交通大臣賞」1本、「経済産業大臣賞」1本、「観光庁長官賞」3本、「実行委員長賞」1本、「UN Tourism特別賞」2本、「学生が選ぶジャパン・ツーリズム・アワード」2本―を用意する。
募集期間は3月17日から5月30日まで。7月中旬に第1次審査で通過した取り組みを発表後、8月下旬に最終選考の結果を発表する。表彰式は9月25日に「ツーリズムEXPOジャパン2025」(Aichi Sky Expo)の中で行われる予定。