日本旅行業協会(JATA)では、12年度の「もう一泊、もう一度(ひとたび)」宿泊拡大キャンペーンで、フェイスブックを活用して若者層を旅行に誘う取り組みに力を入れている。公式フェイスブックページは旅行ファンに向けて3月29日に開設。ユーザー登録の滑り出しは好調だ。
観光庁の発表によると、国民1人当たりの国内観光旅行宿泊数は10年度が2.39泊(暫定値)。国策として伸ばそうとしているにもかかわらず、2.89泊だった05年度以降は漸減傾向にある。
JATAでは「シニア層などは今でもアクティブだが、若い人がどんどん旅行に行かなくなっている」と動向をとらえ、特に若者層の“旅行離れ”を危惧。20代〜30代前半を今年度のもう一泊キャンペーンの重点ターゲットに据えた。従来の告知媒体は新聞やJATAホームページなどだったが、若者を含む多くのユーザーに使われている実態があるとしてフェイスブックを加えた。
もう一泊公式フェイスブックページでは、旅行ファン同士の交流を促すほか、オープン懸賞なども実施して旅行ムードを醸成する。JATA国内・訪日旅行推進部の興津泰則部長は「オープンしてわずかしかたっていないが、約1千人の登録があった。我々が狙う若者や団塊世代に確実にヒットしてきたと実感している」と手ごたえをつかんでいる。
JATAでは、国内宿泊需要の拡大は重要な課題と位置付け、宿泊業界なども巻き込み観光業界全体で取り組みを進めたい考えだ。